冬の口

ざりざり ざりざり

窓にびっしりと並んだ水滴は
1つに触れると周りも落ちていく
まるで人みたいだ

空気に触れなくてもわかる 寒い

外を知りたくて窓を開けると
いつの間にかびちゃびちゃの水たまりができていた
先に水をふき取っておくべきだったなぁ

ざりざり ざりざり

外気が歯を鳴らしている
今からお前を食うぞと
予告なんて意味もなく私は食べられた

口から出る白

返してって叫びたいけど
息しか出てこない
どんどん私は食べられる

ぱくり

白を捕まえた
生ぬるくて気持ち悪い
もう私じゃなくなってた

ざりざり ざりざり

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