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【ありふれた日常から】大切な落とし物

大学卒業後に就職した頃、ぼくは希望に満ち溢れていた。
社長になって、露天風呂付きの家を建てて、優雅に暮らす、そんなバカなことを本気で思っていた。

数年後に定年を迎える今、あの頃抱いていた理想とは程遠い現在地にいる。

社会が悪かった訳ではない。
かと言って、落ちぶれた現在地にいる訳でもない。

何もかもが人並みだったってことだ。

若い頃のぼくが今のぼくを見たら、きっと鼻で笑うだろうなぁ。
しかし今のぼくが若い頃のぼくを思い出しても鼻で笑ってしまう。

この両者のギャップの原因は何だろうか?
それは"希望"があるかないか。

ぼくは長いようで短い人生の旅の途中で、無くしちゃいけないものを、どこかに落としてきたみたいだ。

落としたことも気が付かなかった。

だから20年後の自分に鼻で笑われないように、落とし物を拾いに行こう。

「通勤電車の詩」を読んでいただきありがとうございます。 サラリーマンの作家活動を応援していただけたらうれしいです。夢に一歩でも近づけるように頑張りたいです。よろしくお願いします。