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《ショートショート集》

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傑作間違いなしのショートショート集です。たまに傑作以外も混じっています。探してみてください。
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#掌編小説

【ショートショート】「シャワールームの殺人」(2,036字)

「人が死んでるぞ!」  そこは密室だった。狭い空間には人がひしめき合っており、そのくせ静…

社川 荘太郎
9か月前
8

【ショートショート】「冷蔵庫から見る世界」(5,624字)

 冷蔵庫は冷却機についた霜を取り除くとき、コンプレッサーがブーンという音を出します。  …

12

【ショートショート】「迷子の旅館」(1,993字)

 困ったことになった。  友人と温泉街を歩いていると迷子の旅館を見つけた。  小さい旅館だ…

13

【ショートショート】「みちあんないするカーナビ」(5,269字)

「面白いカーナビ買ったからドライブ行こうぜ」  大学の同級生である紅葉谷の誘いを受け、俺…

8

【ショートショート】「世間的に正しいお父さんロボット」(3,905字)

「ついに完成したぞ、助手よ」 「やりましたね、博士」 「私はこの発明に人生を捧げてきたと…

11

【ショートショート】「家族会議は踊る」(4,879字)

 いつもの食卓。いつもと違うところと言えば、机の上に四冊の日記帳が並んでいるとことくらい…

4

【ショートショート】「2Pカラーの僕」(4,172字)

 ある日、朝起きると2Pカラーの僕がいた。  2Pカラーというのは、二人以上でゲームをプレイするときに、同じキャラクターを操作してもどちらがどちらのキャラクターを操作しているか分かるよう、二人目以降のプレイヤーが同じキャラクターの色違いなどを操作できるというものである。  多いのは肌の色や服の色が違うパターンだ。帽子の色が違うなんていうこともある。初期のアクションゲームや格闘ゲームなんかで2Pカラーはよくみられた。  そしてその“2Pカラーの僕”としか思えない少年が、枕元に

【ショートショート】「ゲーム・オブ・ライフ」(5,875字)

 王様は飽き飽きとしていた。  海洋大国であるこの国が、数百の艦隊を引き連れて世界中を蹂…

6

【ショートショート】「異人交流譚」(4,361字)

 彼に初めて出会ったのは住処の近くの川のふもとだった。  山の中腹にあり、あまり人が寄る…

3

【ショートショート】「どんでん返し部の告白」(6,107字)

『どんでん返し部』部長の山岸は短く切ったばかりの頭を抱えながら悩んでいた。  数週間後に…

10

【ショートショート】「箱製造販売会社経営会議は踊る」(4,243字)

「ではこれより、第二〇二回社長副社長経営会議を始めます」 「うむ。では副社長、いつものよ…

11

【ショートショート】「上昇と下降と欄干に足をかける」(5,861字)

 階段は無限に続くようだった。いや、実際に無限に続いていた。  その証拠に、僕はもう三時…

10

【ショートショート】「エヌ博士と“足して2で割る装置”」(3,855字)

 エヌ博士が、俺が住んでいる安アパートに駆け込んできたのは、俺が昼飯に食おうと思っていた…

8

【ショートショート】「『思考室』の殺人」(1,933字)

 その部屋には『思考室』という名前が付けられていた。  思考室の中には白衣を着た女が一人いるほか、刑事を名乗る男が一人いた。そしてもう一人、そこに倒れていた。  倒れた男の胸にはナイフが刺さっていた。大量の血が流れ、男は明らかに死んでいた。 「彼は自殺です、刑事さん」  白衣の女は弁解するように言った。死んだ男の胸がナイフで貫かれたとき、思考室には白衣の女と死んだ男の二人しかいなかった。 「事件があったときのことを話してみなさい」  白衣の女よりも十以上年上の刑事は