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年の瀬は断捨離でスッキリ✨

季節はいつしか進み、真冬用の温かな羽毛布団だけでは少し物足りなくなった。
確かモフモフの敷きパッドがあったはず。あれは最強だ。
更年期に入ってから、冬でも油断すると寝汗をかく。
寒がりだった以前は裏起毛のあったかパジャマに、上下ともにもモフモフの毛布のような敷きパッドと掛け布団、その上に軽くて温かな羽毛布団の完全防備で寝ていた。
今は毛布と羽毛布団は使うけれど、モフモフ敷きパッドはいらない。ひんやり感じる綿素材の方が返って気持ちがいい。

しかしここまで急激に寒くなるとは思ってもいなかった。今年は北から南まですでに大雪が降っているとニュースで知ると、ここ東京も油断してはいられないなと、慌てて押し入れの中のモフモフ敷きパッドを探すべく探索し始めた。

出てくる出てくる。見知らぬ得体の知れないものたち。
自分の荷物はなんとか把握しているつもりだったが、人間の記憶ってものは本当にあてにならない。

何年か使っていた日常使いのバッグは専用の袋に入れて保管しているが、こんなにあったのか。どれも気に入って大事に使っていたものだからまぁまぁ状態はいいのだけれど、やはり2年上使ったものはある一定の期間置いて久しぶりに見ると痛んでいるのがよく分かる。毎日使っていると気にならないのに、どれもくたびれていてもう一度これらを日常の一軍選手として使う気にはどう考えてもならない。
これは思い切って断捨離しよう。ブランドものだからといって、取っておいても使わないのなら単なる不用品だ。押し入れのスペースが勿体無い。

たまに出番が来るようなお出かけバッグたちは、痛まないので余計に捨てられない。ここ三年間は例のアレのせいでお出かけ自体がほとんど無かったから尚更だ。けれどもその時代がはっきりとわかるようなアイコン的なデザインのものはやはりこの先どう足掻いても使うとは考えにくい。これは私の感覚なので、人が持っていてもなんとも思わないのだけれど。自分の中のこだわり、とでもいうのだろうか。あの時代の私にはもう戻れないし戻りたくもない、という理由でこれらはリサイクルショップ行きに決定だ。

洋服と違ってバッグの断捨離はスパンが長い。気がついたら平気で5〜6年使わずに経っていたりする。いつも流行の最先端を追っていた時代のものたちは、今の自分にはそぐわないと自然と思える。「手放すのは勿体無い」と思ううちは持っていればいいだろうけれど、現在の私は「今の自分に必要なものだけを手元に置いて生活したい」という価値観の方が大きい。

それでも多分、私は人に比べて持ち物が少ないと思う。小まめに断捨離するからだろうけれど、それでもモノはこうしてたまる。
目当てのモフモフ敷きパッドを探索するはずが、いつしかバッグの断捨離になっていた。スッキリして気分がいい。

そんな中、ふと押し入れの隅に目をやると、見知らぬ紙袋が。なんだろうこれは。中を見てみると、あるスポーツのルールブックとどこかのチームのユニフォームが入っている。なんだろう?誰の?息子はスポーツはしないし娘のものではないのは明白だ。

記憶を辿るとようやく思い出した。
確か3年か4年前ぐらいに何回かデートしたあの人がくれたんだ。
そっかそっか、懐かしいねぇ。
でも、なぜ私にルールブックをくれたのかは謎のままだ。そしてユニフォームも。ルールを勉強して、このユニフォームを着て、応援に行けばよかったのだろうか?全く興味のないスポーツなので、あの頃の私はスルーしてしまったのだろう。こんな押し入れの隅に追いやられてお可哀想に。断捨離しましょうね。
あの方、元気にしてるかな?ちょっとメンタル弱そうだったから、強すぎる私には合わなかったんだよね。お可哀想に。


アコースティックギターも出てきた。確かこれは10年ぐらい前に自分で買ったものだ。あの頃、Charにどハマりして、自分でも弾いてみたかったのだ。2曲ぐらいはなんとか弾けるようになったけれど、元々ピアノぐらいしかやったことない私には、コードという概念が難しすぎて覚えられなかった。そして指が痛い。肩が凝る。譜面を見るには距離感が無理。老眼には無理。諦めるしかないではないか。なのでいつしか押し入れの片隅に。姿を見なくなるとすっかりその存在自体を忘れる。そんなものだよね、人生は。
このギターはいつか誰かが弾いてくれるのだろうか。
とりあえず見なかったことにして元の位置に戻っていただこう。

ところでモフモフ敷きパッドはどこへいった?
探し物はそう簡単には見つからないものである。
人生ってままならない。
しかし気がつけば押し入れはスッキリ。気分もスッキリ。ついでに置き去りにしていた思い出もスッキリ。
年の瀬にこうして不要なものを断捨離することができて今日はとてもいい日だ。

人間万事塞翁が馬なのである。

#エッセイ #断捨離 #押し入れ #年の瀬 #探し物 #思い出



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