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「今を生きる」ができているか。

無事コロナから生還して元気になってきたら、健康の有り難みが増して「今を生きる」ことの重要性が、以前より一層自分の中で大きくなっています。

「今を生きる」……そんなの当たり前じゃん、今しか生きられないでしょ人間は。と思いますよね。確かにそうなんですよ。昨日をもう一度生きようと思ってもタイムカプセルがない限り不可能で。今現在のシミやしわの気になる自分の顔を鏡でムムムと凝視しながら「ああ、20代のあの頃に戻りたい」と思ってもせんないこと。人間は今現在を生きることしか残念ながらできません。

では、「未来を生きる」というのはどうでしょう?
もちろんこれもドラえもんがいない限り不可能なこと。というのは頭ではわかっています。しかしながら、無意識にこの「未来を生きる」をしていることが多いのも事実です。それは一体どういうことか。

仕事で何か不安材料があって、もうすぐ終わるお盆休み明けのことを想像して憂いたり、少し先に会いたくない人に会わなければいけないことに心を持って行かれてくよくよと悩んだり。もっと言えば、数年先の自分の将来に漠然とした不安を抱きいつも心がどんよりと晴れなかったり、この世に生を受けたものは皆同じようにいつかは訪れる最後の時を想像して恐怖に晒されたり。考えると果てしなくある未来の不安や恐れ。今現在の自分にはどうすることもできない先のことに囚われている状態。それはある意味未来を生きていて、“今を生きていないこと“だと気づいているでしょうか。

不安や恐れは自分が勝手に脳内で作り上げた幻想であり、あくまでも想像の域を超えるものではありません。だとすると、今現在の自分の身体から心や頭(精神)が離れてしまっている状態です。それは「今を生きる」ことではないのです。

そしてこれは「過去に生きる」ことも同じです。いつまで経っても過去に起きたことでくよくよと思い悩んだり誰かを恨んだり。それは過去に囚われた状態で「今を生きる」をしていないことです。


違う言い方をすると「マインドフルネス」という言葉があります。
今現在を生きる。これは当たり前のようでいて、実は簡単なことではないのかもしれません。意識しないとできないことであり、とても大切なことです。

憂いた過去や未来に心と頭(意識)を持っていかれるといい状態ではいられなくなります。人によっては不安症やうつのような病を抱えてしまうことも。これは人間独自の脳の構造や思考がもたらすことでしょう。過去や未来を悲観して病気になるなど動物や植物にはあり得ない状態です。

とうに終わった過去や、勝手に脳内で作り上げた想像上の未来に生きている頭(精神)を今現在の自分に引き戻し、心と身体を同一化させてこそ、「今を生きる」ができるのです。

「今を生きる」とは、言い換えれば「今に集中する」ことでもあります。
言葉では簡単に言えますが、それを体感として得られるかは意識しないと難しいです。実際、コロナで数日間病の床についていた時間、私は「今を生きる」ができていませんでした。
寝ている間中、自分の体がこの先どうなってしまうのかという不安に襲われていました。

もしかするとずっとこのままだったらどうしよう。
明日はもっと悪くなるかもしれない。
あと何日間この状態が続くのだろう。
仕事に復帰できるのは何日後なのだろう。
来月の予定を無事にこなせるのだろうか。
できなかっらたどうしよう。
もしかするとたくさんの人たちに迷惑をかけてしまうかもしれない。

考え出すとキリがない不安。不安だらけの未来。
私の身体と精神が乖離した状態でした。

それは今回はコロナという病が引き起こしたことですが、その状態を自分自身が「これはまずい。今にフォーカスしなければ」と意識するのは具合が悪い状態ではとても難しいことです。そして具合が悪いからこそそういう状態になったとも言えます。

少しずつ体は回復し、精神が安定してくると、少し前までくよくよと思い悩んでいたこともすっかり忘れてしまいます。そしてまた日常に戻る。でも、その過程を自分が意識して、「今に戻ってこれたな」と思えるかどうか。
「あぁ、今を生きるってこういうことなんだな」と体感できるかどうか。
それは意識しないと得られない在り方なのだと思います。

なんだかしちめんどくさいことを書いていますね。
でも、今だから明確に意識できることをこうして文字に起こしておくことは、実はとても大事なことだと思うのです。
人間はどんな苦労をしても、その時が過ぎればあっという間に当時の体感や思考を忘れてしまいます。そうしないとしんどい毎日を前向きに生きてはいけないし、忘れることは大事なことだということも分かっています。しかし、だからこそ今回私が得た「今を生きる」の本当の意味を、少し経ったのちに忘れてしまわないようにここに留めておこうと思いました。

「今を生きる」ができているか。
時々、思い出しながら、意識しながら、生きていきましょう。
心と身体を「今」に一致させて。

#交換日記 #今を生きる #マインドフルネス #心と身体 #エッセイ  








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