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第18回 大人相談会 / 大人とは

ある一つのテーマをもって対話を重ねるとき、年齢や性別が多様で複数人数が意見を持ち寄ることが私は望ましいといつも思っている。

それはなぜかと言うと、なるべくたくさんの価値観や思考や視野からの言葉を伺うことができるから。そういった意味でも、今回はとてもいい空間作りができたように思う。

あなたにとって「大人だなぁ」と思う人ってどんな人?

ある人は「余裕のある人。自分も周りも見えている人。人と話すときに怒鳴らない人」。確かに話してる途中にいきなりキレたり大声をあげたりするのはオトナ気ないよね。

ある人は「未熟である自分を受け入れられる人。そんな自分を許せる、また人に教えを乞うことができる人」。これは確かに大人だ。自分が未熟であるということを認めるのはなかなか容易ではない。できないことを認め、プライドを捨てて人に頭を下げることができるのは、ある意味大人だからできることなのかもしれない。

ある人は「自分の芯をしっかりと持ち、周りのあらゆる意見を受け入れることができる人。自分と違う意見をも受け入れるしなやかさ、余白がある人。柔軟で、どんな形にも変化しながら決してブレない人」。そしてなおかつキュートな部分、可愛い部分を持ってる人という。これはなかなかハードルが高い。理想はどこまでも高くと言ったところだろうか。

そしてまたある人は「人への態度や言葉が誰に対しても平等で、自分個人の好き嫌いを周りに感じさせることなく接することができる人」。これもまた非常に難しいことだ。人には大抵好き嫌いがあるし、性格や意見が合う合わないがあるのは当たり前だ。それでも、複数の集まりの中で誰一人としてアブれることなく、嫌な気落ちや寂しい思いをさせることなくモデレートできる人は尊敬の念に値する。


今回のテーマを提案してくれた人は、自身の生き方の目標のような芸能界の大御所(仮にAさんとする)がいて、その人を引き合いにした理想の大人像を詳説してくれた。確かに私もAさんのことは昔から大好きで、なぜ好きなのかを考えるとその答えがなんとなく見えてきた。

私とその人の共通する見解として、Aさんはいつも肩の力が抜けている。そして決して人をディスらない。場を盛り上げたり笑いを取るためにツッコミはするけれど、そこには深い「愛」がある。その愛は個人的なものや表面的な嗜好のようなものではなくて、言い換えれば人類愛のような懐の深い大きな愛だ。

キャリアが長く年の功と言ってしまえば簡単だが、Aさんの人に対しての言動は昔っから変わらない。そしていい意味でものすごくマイペースだ。いつも飄々としていて、仕事も趣味も好きなことしかしていないように見える。見えているだけで、もしかしたら裏で大変な苦労があるのかもしれないけれど。でもそれを表には微塵も出さない。そして多趣味で幅広い年齢層のご友人がいて、Aさんの周りはいつも賑やかでみんながリラックスして笑っている。そう、この感じ。私の目指す大人像。

誰も緊張することなく、そばに寄っていくのを受け入れる包容力。安心感。決して拒否られないと確信できるのは、Aさんの醸し出す雰囲気から湧き出る人類愛のような大きな愛を、いつも共演者やスタッフ、Aさんの友人やパートナー、果ては趣味の持ち物や創作物までもにまんべんなく循環させておられるような気がするのだ。あんなふうに仕事ができたら、あんなふうに人や物と接することができたら、さぞかし気持ちよく生きられるだろうなぁ、などとうっとりする。


ある方はお子さんと日常の中で、日々成長するその姿に驚き、感動を与えられていると仰る。小さいながらも自分の感情をコントロールしながら周りの人との関わりの中で無理なく自分の立ち位置や振る舞いをしっかりとハンドリングしている姿に、少しずつ確実に大人への階段を登る過程を目の当たりにされているという。

そう、子育ては自分育てというけれど、まさしくたくさんの気づきや発見を与えてもらえる経験の一つだ。自分自身の人生の成長段階では、日々いっぱいいっぱいで気づけなかったたくさんの試練や教訓を、子育てを通してもう一度最初から学び、人生を考え直し構築し直す時間を与えてもらえるという局面もある。なんという贅沢な時間だろう。それでも子育ては日々戦闘体制のようなところがあるから、その場ではじっくり味わっている暇などないのだけれどね。後になって思い返せば貴重な勉強の時間だったことは間違いないのである。

子育て中の人の意見の後に、親御さんの介護中の人の考えも伺うことができた。世話をし、話を聞き、日々側でサポートすることは子育てと同じだが、その中身は全く似て非なるもの。言ったことは次の瞬間に忘れられ、やったことは相手の心には残らない、ある意味無情の虚しさを感じながらも淡々とこなし、寄り添う。その方の言葉はとても重く、しかし意外にも軽やかだ。

「それでも明日は続いていくのよ」

ご飯を食べて眠り、また朝が来る。何も持ち越すことなく、手放しながら今日を生きるのですと力強く言い切る姿は神々しく、美しい。


そこから「手放す」と「向き合う」についても談義を重ねた。これについての考察は私的には次回に持ち越したい気がした。それぞれの思い、そして価値観、経験値によっても「手放す」の持つ意味は違ってくるのだと改めて興味深く考えた。

会って話すってやはり面白い。たくさんの思考が交差し、重なり、寄り添い合う。そこからそれぞれに自分なりの答えが見つけられたらいいなと思う。まだまだ大人になれないと言う人の頼りなく儚げな笑顔を見ていると、「大丈夫、あなたには「時間」という最強の武器があるから。うんと経験し、うんと考え、うんと甘え、うんと時間をかけて大人になってくださいね」と祈らずにはいられなかった。

またここで会いましょう。安心と信頼の溢れるこの場所で。


今回ご参加いただいたメンバーさん、ありがとうございました😊

そして今回はゲストにMicaさんをお招きしました。Micaさん、ご参加いただきありがとうございました😊


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