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ゴールの設定:死人テストと具体性テストをクリアする

誰かに何かを教えるとき、ゴールが「行動レベル」になっているかどうか確かめるために「死人テスト」と「具体性テスト」を用いるという方法があります。

死人テスト
「死人」と聞くと嫌な印象を持ってしまう方が多いかもしれませんが、これは行動分析学の基礎用語です。死人テストとは、『行動は死人にはできないもの』という考えから、死人にもできることは行動とみなさないというテストです。

行動とは「状態」ではなく「否定形」でもありません。「肯定形」で表すというところがポイントです。

たとえば、「ケーキを食べる」は死人にはできないので「行動」です。一方、「ケーキを我慢する」は “ケーキを食べない” ことを意味しています。死人にもできるので、行動ではないと考えます。

具体性テスト
具体性テストは、『その行動がどのくらい具体的かどうか』を調べるテストです。すなわち、その振る舞いを複数の人が見ても同じ振る舞いだと判断できることが基準になります。たとえば、「ダイエットを頑張る」の場合、頑張るという基準が見る人によって異なる可能性があるため、行動としては不適切です。一方、「1日に10,000歩以上ウォーキングする」だと、その様子を見ればその振る舞いをしているかどうか判断することができるため、行動の定義として適切だということです。

受動態(〜される)や否定形(〜しない)は死人テスト、具体性テストに引っかかります。死人は「される」「しない」はできるからですね。

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実行する ”意思” をもち、行動を “習慣化” させるためのサポートをする

学習では、ある状況下で、ある行動をとると、その状況が変化します。そして、その変化はその人にとって好ましければその行動は継続されます。このように考えると、ゴールの行動が否定形なのはおかしいですよね。だって、その行動を目指せないわけですから。

ゴールは「肯定」のカタチで表します。そして、教える相手がゴールの行動を実行する “意思” をもち、適切な行動が “習慣化” するようにサポートする。それが、私たち教える人の役目です。

肯定形は前向きに行動できる
「マスクを外さない」→「(いつどこで)マスクをつける」
最近「しない」「させない」という表現が散見されます。私たちが前向きに行動できるように「肯定形」で示してほしいものですね。

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