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ラストタンゴインパリ 1973年

かえるちゃんメチャクチャ好きな映画なんです。
わりとポルノ映画の扱いを受けてて、まぁたしかになんだけど、これはヴィスコンティほどではないものの、まぁそこそこいいおうちの出身であるベルトルッチがわずか34歳で撮った映画なんです。
公開当時のインタビューでは「衝動」について描いてみたかったと語っていました。

近年、アナルファックのシーンは相手役のマリアシュナイダーには伝えずに本番を行ったと監督に非難轟々だったんですが、ベルトルッチはパゾリーニの弟子なんだからボンボンぶってるけど本質的にはクズだとおもうので、そうなのかで終わりました。
マーロンブランドだって暴力が服を着てるような人だし、まぁ気の毒だったのはマリアシュナイダーです。
彼女はよくがんばったと思うんです。
ゴムまりみたいにぼーんとしたおっぱいと海苔みたいな陰毛で若さが弾けていました。

ただマリアシュナイダーはこの映画に出たことで病んでしまったようです。
ブニュエルの映画なんかにもオファーはあったんですけど出演は実現していません。
次にマリアシュナイダーを見たのは70年台の終わりの「夜よ、さようなら」という映画です。
これは偶然ですけれど原作本を読んでいたんです。
長い話でしたが読み切りました。
パリで街商として働いた女性の自伝なんですが、主演はミュウミュウで、マリアシュナイダーは同輩のマルー役です。
ラストタンゴインパリであれだけ脱ぎまくってしまうと、もう脱ぎ役しかつかないんですよ。
一番驚いたのはマリアシュナイダーの衰えっぷりで、顔には精彩がなく、あんなに豊満だったおっぱいはしなびて垂れているんです。
リンチの描写も原作通り過激な映画だったのでこちらはほとんど話題になっていません。
その後、マリアシュナイダーを見かけることもなく、亡くなられました。

ラストタンゴインパリは映像も美しかったけれど(日本の映倫もいい仕事をしていました)、音楽もすばらしいんです。

これは音楽を担当したガトーバルビエリのライブ映像なんですけれど、すばらしい演奏です。
あと不思議なんですけれど英語で歌詞をつけられた曲があります。

お顔は美人ではないマリーナショウという若手シンガーが歌っているんですけれど、溌剌とした風貌だったマリアシュナイダーを彷彿とさせるパンチのある歌い方です。
アルバムのタイトルがブルーフィルムとあるので、アメリカでもポルノ映画と認識されていたんでしょうね。
わかる範囲の歌詞を拾うと2人の影が重なりあったり離れたり、みたいなまぁ性愛について歌っていそうです。
こういう企画はおそらく「エーゲ海に捧ぐ」のプロモーションで作られたジュディオングの「魅せられて」みたいなものなんでしょうね。

あと、ラストタンゴインパリには小さい役なんですがヌーベルヴァーグの大スターであるジャンピエールレオが出ています。
いやまさしく彼にしかできない空気を読まない役です。
いてもいなくても変わらないではあるけれどいてよかったかなと思います。
この人のことは好きなのでいつか別記事で書きたいとおもいます。

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