見出し画像

勝手に10選〜 THE BEATLES 前期JOHN作曲編(前編)〜

(前記)
筆者の日本以外におけるフェイバリットなバンドはビートルズだ。

みんな大好き、モンスターバンド、ビートルズの勝手に10選シリーズも独自の観点から挑戦する。

しかし、困った事に名曲のオンパレード、作風も解散まで進化し続けた。

そこで、ライブ活動に終止符をうち、実験的かつ革新的な楽曲制作の要素が高くなるキーとなるアルバム"REVOLVER"より前の楽曲を初期、以降の楽曲を後期として、曲を選曲する。  

今回はビートルズにおける、初期のジョンレノンの楽曲を前編、後編に分けて勝手に10選する。

・Please Please Me
1963年に発表されたセカンドシングルだ。

1962年にポールが楽曲を手掛けたシングル"Love Me Do"にてビートルズはデビューを果たした。
大ヒットとはならずとも、全英チャート17位と健闘し、プロデューサーであるジョージ・マーティンが、セカンドシングルとして用意した曲がミッチ・マレーによる"How Do You Do It?"であるが、オリジナルにこだわるメンバーはこの曲を拒否する。

では、この曲を上回る曲を作ってこい、とジョージ・マーティンが命令すると、この曲をビートルズが提示したのだ。

元々は、テンポの遅いゆったりとした、ボーカルもブルージーな曲であったが、テンポをあげ、ハーモニカも加えられ、疾走感に溢れる曲にアレンジされとおり、ジョージ・マーティンは聴いた瞬間に大ヒット事を確信して即座にレコーディングに入った。

実に軽やかで疾走感もありながら、ブレイク、リフ、サビのコールアンドレスポンス、コーラスなど工夫に工夫を重ねているのが良く解る。

この曲の大ヒットにより、ビートルズによる伝説の幕は開けたのだ。

そして、同年にこの曲が表題曲となるアルバム"Please Please Me"が発売され、全英1位を実に30週間連続を継続し、その1位の座を奪取したのは、同じビートルズのセカンドアルバム"WITH THE BEATLES"という考えられない離れ技を見せつけるのだ。

・A Hard Day’s Night
1964年に発表されたシングルで、ビートルズが主演をした映画の主題歌であり、後のアルバム"A Hard Day’s Night"のオープニングを飾る曲だ。

まず題名だが、ある多忙を極めた1日が終わろうとする時にリンゴ・スターが"なんて忙しい日だ…(It's been hard day…)"と呟いて窓の外を見ると"夜だ!(…’s night!)"と発したのを聞いたジョンがそのリンゴのフレーズを拝借して曲を制作した。

曲は、"ジャーン"という1発の音で始まるが、本日に至るまで、一体コードの正解は何か、何のコードをどの楽器を誰が弾いているのか、未だに色んな議論がなされている。実に面白い。

曲は、実に軽やかで爽快感に溢れるロックだ。
構成はAメロ、BメロであるがBメロが少しマイナーになり緩急が見事につかせながらも、一貫して疾走感を保っている。

間奏のジョージによるソロは、12弦ギターを用いてテンポを落として弾いたものをテンポアップしたもので、結果的にこれもまた、軽快で疾走感に華を添えている。

筆者個人的な意見だが、Bメロにおけるポールによるカウベルが実に素晴らしいスパイスとなっている。

終わりのギターによるアルペジオも見事である。

・I Feel Fine
1964年に発表されたシングルである。

この曲のエピソードとして、有名なのが曲の冒頭の不思議な音である。

これは、ジョンはこの曲に使用したギブソンのJ-160Eというエレアコを使用しているが、ふと、アンプにこのギターを立て掛けたところ、偶然フィールドバックが鳴り始め、それを面白いと曲の冒頭に拝借したのだ。

フィードバックが終わるか否や、実に軽快でギターによるリフがはじまる。
このギターのリフがこの曲の肝として進行する。

曲の構成はAメロ、Bメロの繰り返しであり、Bメロはギターがストロークとなり、ボーカルもジョンの1人ハモりとなり、この曲の緩急となるが、その曲調に合わせるラテンも香るリンゴのドラムがまた素晴らしい。

リフを主軸にもってきたビートルズの楽曲において、実に素晴らしい愉快な名曲である。

・I'm a Loser
1964年に発表されたアルバム"Beatles for Sale"に収録されている曲だ。

この時期になるとボブ・ディランの影響が濃くでており、この曲はそんな時期を象徴する、ミドルテンポのアコースティックロックである

ボーカルから曲がスタートし、アコースティックギターのストロークが主軸となる。
構成は至ってシンプルでAメロ、サビ、間奏という流れだ。
抑揚が激しくない綺麗なメロディラインに、ハーモニーが美しく、間奏のハーモニカも雰囲気に調和している。
失礼した主人公が自暴自棄になっている歌詞だが、自身の2面性を示しており、ここまでネガティブに本心を吐露しながら、自分の中の表裏を表現している歌詞は、ディランの影響が大きいのだ。

・Ticket To Ride
1965年にシングルとして発表され、その後アルバム"HELP!"にも収録された曲だ。

ジョージのリッケンバッカーの12弦ギターによるリフが主体となる重厚感に哀愁をブレンドしたロックナンバーだ。

この曲のは基本的にAメロと、Bメロの繰り返しとミドルエイトから構成されている。

AメロとBメロにそれぞれが素晴らしい独特の雰囲気をもたらす大きなマテリアルはリンゴの卓越した、ギターリフに寄り添う様なドラムである。
ミドルエイトの疾走感も、リンゴのドラミングが光っている。

切ない歌詞と抑揚のついたジョンのボーカルに、ハモりも実に美しい。

ラストにいきなりアップテンポしてフェードアウトして曲は終わるが、主人公が慌てて追いかけるメタファー、というのは筆者の考え過ぎだろうか。

(後記)
それでは後半に移ります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?