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勝手に10選〜イカしたラブソング編(後編)〜

(前記)
張り切って後編に移る。


・LA・LA・LA LOVE SONG

1996年に久保田利伸 WITH ナオミ・キャンベルのシングルとして発表された曲だ。

実に軽やかでテンポが気持ちの良いファンクも香るイカしたR&Bである。

我々の世代における日本のKING OF R&Bは久保田利伸さんだ。
R&Bや、ソウル、ファンクなどのブラックミュージックを積極的に取り入れ、そのポピュラリティーの礎を構築させた素晴らしいアーティストである。

曲であるが、まわれまわれメリーゴーランド、から始まるサビの名フレーズから曲が始まる。

最初の1フレーズの歌い終わりから、軽やかで気持ちの良い前奏に入るが、ここでラップ調の女性ボーカルが聴けるが、これはナオミ・キャンベルが歌唱している。

曲の構成はシンプルにAメロ、Bメロ、サビとなるが、軽やかで心地の良いAメロと、ややトーンダウンし、コーラスが見事にハマるBメロを経てサビに移行する。

サビは実に軽やかで心地よく、メロディラインがキャッチーかつ秀悦している。
歌詞もストレートに愛を語り、この曲とメロディラインのキャッチーさ、と融合して実に気持ちの良いラブソングとなっているのだ。

サビ終わりの、La、La〜、Lovesong、のフレーズは、敢えて言葉を使わずに、聴き手の好きな様なフレーズだったり、イマジネーションを駆り立てる素晴らしいフレーズだ、と言いたいところだが、この部分だけ歌詞が浮かばず、そのまま、ラララにしただけの話らしい。


・幸せな結末


1997年に大滝詠一さんのシングルとして発表された曲だ。

実に気持ちのよい、暖かい気持ちにさせてくれるミドルテンポのバラードだ。

なんとこの曲は大瀧詠一さんの12年ぶりのシングルであった。

ちょっと面白いエピソードがあり、大瀧詠一さんの大ファンであるテレビ局のプロデューサーが、1980年代から大瀧詠一さんにドラマの主題歌をオファーをしていたが、なかなか大瀧さんが首を縦に振らず、ようやく長年のオファーに対して承諾を得たものの作曲が難航し、ドラマには間に合わず、そのプロデューサーは新たなドラマのタイトルを、大瀧さんの承諾を得て、大瀧さんの作品のタイトルにした。

そのドラマが、木村拓哉さんと山口智子さんが主演のドラマ"LONG VACATION"なのだ。
そして翌年にオファーしていた曲が完成し、木村拓哉さんと松たか子さんが主演のドラマ”LOVE GENERATION"の主題歌となったのだ。

当時、絶大な人気を誇ったこれらのドラマに大瀧詠一さんがこの様な形で絡んでいた事は実に面白い。

曲は往年のウォール・オブ・サウンドをタイトに、よりソフィスティケートされた印象だ。

曲の構成はサビとミドルエイトのみのシンプルな構成だが、サビは清らかに美しく、ミドルエイトはウォール・オブ・サウンドとブレイクを活かして見事に緩急を付けている。実に気持ちの良い華やかなオケである。

歌詞は時を経て、恋から愛へ、そして結末へという前向きかつ実にストレートな内容で、素晴らしいオケと融合し、実に暖かく心地の良いミドルテンポのラブソングとなっているのだ。


・キセキ

2008年にGReeeeNのシングルとして発表された曲だ。

実に美しく激しくもあり、切なさも垣間見える様なミドルテンポのラブソングだ。

構成はAメロ、Bメロ、サビと、ラップによるミドルエイトから成る。

美しいピアノに乗せて、恋人に対する言葉に出来ない程の想いをAメロにおける美しいメロディラインにて歌い上げる。

歌詞は、実にストレートに恋人の事に対する想いを凝縮した内容だ。
冒頭に、切なさも垣間見える、と記したが、恋人に対して想いを色んな言葉で伝えようとするが、なかなか言葉に凝縮出来ないもどかしさ、みたいな事がこの曲に切なさをもたらしている。
確かに言葉は所詮、言葉でしかないのだ。

Bメロでは、恋人に出会えた奇跡(キセキ)と、これまで恋人と歩んできた軌跡(キセキ)を歌い上げ、これが見事にサビへの伏線となる。

サビは過去の2人の軌跡を踏まえ、前向きにこれからの、2人の未来の愛を、想いを歌い上げる。
サビになると演奏もボーカルも力強さを増し、実に美しいメロディラインに乗せて主人公の相手に対する想いが痛い程に伝わってくる。

人類80億人がこの地球上には存在し、確かに心の底から愛し合える恋人、パートナーと出会う事は奇跡であり、その愛する人との沢山の軌跡を作っていきたいものだ。


・マリーゴールド

2018年にあいみょんのシングルとして発表された曲だ。

実に華やかで美しく素晴らしいミドルテンポのラブソングだ。

女性のシンガソングライターかつギタリストが、今の時代に胸を張って人々に受け入れられる事に敬意を表するしかない。
しかも、1人弾き語りで武道館ライブなど、時代は関係なく素晴らしい事であるが、特に今の時代の音楽シーンを見渡すと、音楽好き、ギタリストとしては、あいみょんの存在は実に嬉しいのだ。

逆回転のキーボードだろうか、粋なイントロで曲は幕を開ける。

曲の構成はAメロ、Bメロ、サビとシンプルであり、1箇所ミドルエイトが入って良いスパイスとなっている。

歌詞はストレートなラブソングである。
あいみょんというアーティストは実に言葉選びや、情景、感情の描写などが秀逸したアーティストだ。
この曲は男性目線の曲であるが、中性的に言葉をチョイスする事で万人の心に心地よく響くのだ。

特にサビの素晴らしいメロディラインとフレーズが見事に融合して、あいみょんのボーカルも実に美しく、これぞ名曲なのだ。

現在進行形の幸せと、過去、現在、未来の2人を組み合わせを見事に表現した美しく華やかなラブソングである。


・I Love You

1983年に尾崎豊さんにより発表されたアルバム”十七歳の地図”に収録された曲で、1991年にシングルとしてリリースされた曲だ。

17際の少年がデビューを飾ろうとしていた。
しかし、デビューアルバムを完成するにあたり、曲数が足りないとプロデュサーが判断をして、曲を作る様に尾崎さんに告げた時から、全ての信じ難いストーリーが生まれるのだ。

その由をプロデューサーが尾崎さんに告げると、1、2日でこの楽曲を作り上げ、披露した、というエピソードは奇跡を超越した音楽の神様の粋な計らいであろうか。

40年程前に、そんな17歳の少年が1、2日で作詞作曲した曲が時を超え、現在も歌い継がれ、日本のみならず海外のアーティストにまでカバーされ、ラブソングの頂点に君臨する1曲となり続けている事を、当時の少年は予想出来たであろう筈がない。

イントロで、美しいピアノが奏でられ尾崎さんの歌が入ってくる。

実に歌声は美しく、時に優しく、時に感情を表にだす様に緩急自在な素晴らしいボーカルだ。

歌詞は"悲しい歌"がキーとなる、世間的には許されがたい、歓迎され難い10代の恋愛をテーマにした歌詞である。

全てのパートが互いを高め合う様な、パート毎の素晴らしいメロディライン、切なさと暖かさが共存している世界観、どこをとってもパーフェクトなラブソングである。

これからも、ずっと歌い継がれるラブソングなのだ。

(後記)

ラブソングとして音楽を聴く際に、マテリアルとして歌詞の割合が高くなる。
今回10選をするにあたり、歌詞を重点的に改めて楽曲を聴いてみた。

すると、あらあら、これラブソングじゃなくて失恋ソングじゃん、とか、ほう、このフレーズが胸に刺さるのか、とか、この曲はこういう理由があって歌い継がれるのか、など新たなる発見もあり、非常に有意義な時間であった。

ラブソングはもっともっと沢山存在し、いつの時にも、いつの時代にも人の心に響いている。

そんなラブソングをまた10選する次第なのだ。

読んでくださった方々へ
ありがとうございました。

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