勝手に10選〜THE BEATLES初期PAUL作曲編〜(前編)
(前記)
筆者にとって、ビートルズはやはりチェッカーズから存在を学んだ。
一番最初に買ったアルバムが"Please Please me"で、これはよい!カッコいい!となり、何も解らず、次に皆が最高傑作と称する"Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band"を購入し、あまりの音楽性の違いに困惑した思い出が懐かしい。
未だに、いやこれは変わらないであろう、日本以外でのフェイバリットなバンドはビートルズだ。
今回もみんな大好き、モンスターバンド、ビートルズの勝手に10選シリーズにも独自の観点から挑戦する次第だ。
今回もライブ活動に終止符をうち、実験的かつ革新的な楽曲制作の要素が高くなるキーとなるアルバム"REVOLVER"より前の楽曲を初期、以降の楽曲を後期として、曲を選曲する。
今回はビートルズにおける、初期のポール・マッカートニーによる楽曲を前編、後編に分けて勝手に10選する。
・I Saw Her Standing There
1963年に発表されたビートルズのデビューアルバム"Please Please Me"のオープニングを飾る曲だ。
1962年にシングル"Love Me Do"でデビューを果たし、1963年1月に発表したセカンドシングル"Please Please Me"にてブレイクをし、2月にシングル以外の曲を1日でレコーディングしたのがアルバム"Please Please Me"だ。
その後、幾多のシングル、アルバムで音楽史に数えきれないレガシーを残す事なるビートルズである。
そのデビューアルバムにおいて、この曲のポールによる"世界一有名なカウント"にて、ビートルズによるアルバム全ての幕が開けたのだ。
ジョンのサイドギター、ポールのベース、リンゴのドラムは実に安定し、チャチャを入れる様なジョージのギターがスパイスになり、サビに突き上げるメロディラインが実に気持ちの良いイカしたロックンロールなのだ。
・All My Loving
1963年11月に発表されたセカンドアルバム"With the Beatles"に収録された曲だ。
なんと全英アルバムチャートにて30週間連続1位の前アルバムを自身のセカンドアルバムで1位を奪うという、とんでもない事をやってのける。
実に重厚感と軽やかさを同時に兼ね備え、有名なジョンによるギターの3連ストロークにより疾走感も醸し出している。
ゴキゲンなジョージのカントリー風なソロもイカしている。
なんともメロディラインが美しい曲だ。
あまりポールの曲に関しては賛美をしないジョンも脱帽だった様だ。
2題目から実に素敵なハモりとなるが、声を聴くにポール自身によるものと思われる。
間違いなく、ポール初期の傑作である。
・Can't Buy Me Love
1964年にシングルとして発表し、後にアルバム"A Hard Day's Night"に収録される。
ポールのシャウトと共に曲が始まるアコースティックロックの名曲だ。
実にメロディラインもイカしている。
しかし、このジョンによるバッキングのアコースティックギターが、目立ち過ぎず、パーカッシブでもなく実に良いバランスなのだ。
ジョージもジョンのバッキングに沿う様にエレキを奏で、間奏でのソロもクールだ。
ちなみに初期ビートルズの中では珍しくコーラスが無く、ボーカルはポールの独壇場である。
・I’m Down
1965年にシングル"HELP!"のカップリングによって発表された曲だ。
ポールのシャウトが冴え渡り、ブレイクも見事な気持ちの良いロックンロールだ。
ポールは、リトル・リチャードをイメージして楽曲を制作したという。
なお、この曲の間奏で初めてオルガンを導入し、ジョンはこちらはジェリー・ルイスの様に自由奔放に弾きまくっている。
後にシェア・スタジアムのライブ映像にて、実にジョンが楽しそうに肘などをつかい、オルガンを弾いている姿を見る事ができる。
・Eight Days A Week
1964年に発表されたアルバム"Beatles for Sale"に収録された曲だ。
初のフェードインにて始まる、気持ちの良いアコースティックロックだ。
タイトルである"1週間で8日"というポールのアイデアから制作された。
アコースティックギターのストロークが肝となり、そこにグルーヴ感溢れるジョージのエレキギターによるカッティングがスパイスとなっている。
殆どがポール作だがリードボーカルはジョンである。合間に入るパート1つだけ、リードボーカルが逆転しているあたりは流石である。
見事な構成もブレイクなど緩急がつき、捻りの付いた歌詞も、ハーモニーが冴え渡るメロディラインもカッコいい、フェイドアウトも見事なロックナンバーだが、何故か当時メンバーは気に入らなかったらしい。
(後記)
それでは、後半に移ります。
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