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かかとを直して

秋っぽくなってきたのでローファーをだした。

皮の面積が大きくて、重たい感じがするので秋冬になるとこの靴を出す。
甲の部分も覆われていて、かかとも低いので子育て中の身にはとてもありがたい靴だ。

歩きやすいし、いざとなったら子を追いかけて走ることもできる。
走るための靴では全くないけれども、保育園の送り迎えでどうしても走る機会は発生するのだ。

そんなこんなで、季節の移り変わりを感じながら上機嫌で靴を変えたら、歩く度にコツコツ、コツコツ、と音がすることに気がついた。

靴の裏を見てみると、かかとが削れ、金属がほんの少し露出している。

これかぁ。

これはよろしくない。レディとしてふさわしくない気がする。
私にも多少は淑女のたしなみ的なものがあるのだ。
何より自分のテンションが上がらない。

ということで、かかとの修理をお願いすることにした。

久しぶりに入ったミスターミニッツ。コツコツ音がするようになってしまって、かかとの張替えをお願いしたいと靴を渡すと、つま先の部分も底が剝がれかけていて、先の部分が地面にこすれているからと、かかとと前底両方の修理を提案された。

普通のラバーだと4,000円くらい、
普通より1.5倍削れにくいラバーだと5,000円くらい。

ううむ。
そんなに高くない靴を履いているので、修理代で購入金額の3〜4割くらいかかってしまう。減価償却とか考えると今のこの靴の価値ってどのくらいなんだろう。そもそも音が出るようになるまでどのくらいの期間かかったかな。1.5倍削れにくい、がどのくらいの差になるか全然わからん。でも、とにかく気に入っている靴だから。

というのを瞬時に考えて、普通のラバーでの修理をお願いした。

5,000円は高く感じるけど4,000円ならぎりぎり出してもいいかな、という絶妙な価格設定のように思う。

子どもを産んでから、実は店舗で靴を買ったのは数えるほどしかない。近所のスニーカー屋さんくらいで、あとは通販でひやひやしながら購入する。

なかなかゆっくり靴を試着しに行く時間がないのだ。

だから、いまサイズがあっていて、気に入っている靴はなるべく大事にしたい。

生まれ変わった靴は、新品のようにきれいな底で、歩くとやわらかく地面を押し返してくれる。もちろん不快な音はしない。

靴底の修理をしただけてこんなに快適になるなんて、と感激しながら足取りも軽くなった。

快適になったのももちろんだけれど、こういう小さなトラブルに対応できている、という事実も嬉しい。

産後、初めての子育てでてんやわんやで、自分のことや、家のこまごまとしたことはずっと後回しだった。

それが子の成長とともに、少しずつ手をかけられるようになってきた。ちょっとしたイレギュラーな汚れとか、使わなくなったものの処分だとか、新しい化粧品を買ってみたりだとか。

自分の人生を、自分でコンロトールできること、やりたいことをちゃんとやれることは、喜びなのだなぁと改めて実感した秋の出来事だった。

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