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ありがとうの循環
うちの母は太陽のような人だ。
そして機械オンチだ。テレビの録画予約もままならない。携帯電話を持つことを夫婦で長年拒否していたが、東日本大震災を機に購入し、息子(孫)が産まれてからは時折メールもするようになった。
お互い、無意味にメールを送るたちではないし、母は操作に不慣れなので、やり取りの頻度はそう高くない。だが母とメールすると、締めに良く出てくる言葉がある。
「生まれてくれてありがとう」「生まれて来てくれて、嬉しかったよ」だ。
これ、孫にだけじゃない。
もうこの世に生まれ出て30年以上になる私にも、そう言ってくれるのだ。
***
これが殊の外、効く。
エナジードリンクの数100倍、マッサージの数1000倍、推しの笑顔の5倍くらい効く。
生きているとしんどいことも辛いこともある。
そんな時はアホみたいに効く。
私ももういい歳した大人だけれど、手放しの愛は、やっぱり染み入るものなのだ。
***
母は専業主婦で、私はワーママ 。
子育て環境はだいぶ違う。けれど、母は世の変化や今の子育て世代の状況をよく理解し、寄り添ってくれる。
産後は環境の変化も負荷も激しく、仕事との両立に悩んだり、体調を崩したりすると駆けつけてサポートしてくれ、褒めたり、なだめたり、励ましたりしてくれる。
私のことを、気にかけてくれているのを感じる。
そしてその究極の形が「生まれてきてくれてありがとう」という言葉なのだろう。
母はいつも、愛の言葉を惜しみなく使うことを教えてくれる。
親が子を気にかけるあり方は色々あるし、時にそれが束縛や重圧になってしまうこともある。
しかし母の圧倒的「陽」なこの在り方は、とてもあたたかく、やさしく、そして、ありがたい。
愛情表現は惜しみなく。
はっきり言葉や行動で、いつも、何度でも。
そういうふうに私も生きたい。
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