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マナー違反のごみ対策 出し主を探す

ごみ出しマナー問題 ②

マンション管理に携わる以前、お店や街に設置されているカメラをわたしは「監視カメラ」と呼んでいた。
 
しかし、マンション担当者になって間もなく、直属の上司から「防犯カメラ」と言うように指導された。
 
“監視”するためのカメラではなく、“犯罪を抑止”するためのカメラだそうだ。
 

これまで、マンションには「余計な設備はなければないほどいい!」と主張してきたわたしだが、設置をお願いしてみた設備が一つだけある。
 
それは、

ゴミ庫内への防犯カメラ設置だ

マンションの担当者をしていた頃、マンション館内に設置されている防犯カメラを確認して、犯人を突き止めてくれ!と依頼されることが珍しくなかったが、多くの場合、丁重にお断りしてきた。
 
なぜなら、管理会社は犯人を捜したり、特定するような任務を負っていないからだ。
 
犯罪がらみの案件は、マンション館内で発生したことでも警察に捜査依頼をする必要がある。
 
しかし、そうは言っても当事者をどうしても突き止めたくなる場合があった。
 
その一つが、無分別のごみや粗大ごみの投棄だ。

管理員さんの業務を非常に困難にする。

分別されていないごみを環境局に収集してもらうためには、管理員さんが袋を開けて分別する等の対応が必要となる。しかしそれらの作業は管理員さんの業務内容に含まれていない。そんなことが頻繁にあれば本来の管理員業務に支障をきたすことになる。

また、例え小さなものであっても、いつまでも収集されない粗大ごみがゴミ庫内に放置されていれば、清掃に支障をきたす。
 
見逃せば、マナー違反の連鎖が始まり、手の打ちようがなくなってしまう。
 
ちいさな違反の時点で芽を潰すために、「ごみ問題」には防犯カメラを活用したくなるのだ。


ゴミ庫に捨てられたルール違反のごみを特定することは非常に面倒な作業だ。


ごみが捨てられたピンポイントの時間がわからないと、館内の防犯カメラで捨てた人を特定する作業は大変時間がかかる。
 
もし、ゴミ庫内にカメラが設置されていれば、ごみが確認された日時から高速で巻き戻して「投棄された日時」を絞り込める上に、置いて行った人物の画像も映り込んでいて特定できる。
 
しかし、ゴミ庫内に防犯カメラが設置されているマンションは少ない。
 
当然、管理員さんは持ち主特定のためにゴミ庫内にカメラ設置を希望する方が多かった。カメラ確認が嫌いなわたしでさえ、ゴミ庫には設置してほしかった。

そんなこんなで、過去に2度ほど、ゴミ庫内へ防犯カメラの増設を理事会に提案したことがあった。


なぜ必要か、無いとどのような不便・不利益があるか、切々と訴えたが、いずれも否決された。
 
ごみ投棄の本人を探すのも、分別作業をするのも管理会社(管理員)の仕事だと思われていたからだ。
 
そして何より、ごみは非常にプライベートかつデリケートな存在で、誰のごみかなど特定されたくないのが人情だからだろう。
 
しかし、本当にごみ問題で悩んでいるマンションは、ゴミ庫内にカメラを設置し、一つ一つ徹底的に持ち主を探し出し、正しい捨て方を守っていただくことが解決の早道だと思う。
 
ゴミ庫内にカメラが設置されているという事実だけで、抑止力につながるのではないかと思う。まさに「予防」のためのだ。
 
くれぐれも、画像確認はマンション担当者にさせず、理事会の理事の皆さんで行ってください。


ちいさな管理ホームページ


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