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日・韓・台を結びつける"chips"

"chips"
ポテトチップスではありません。英語で半導体を指します。
半導体、正式にはsemiconductorsなのですが、chipsのほうが言いやすいですよね。


半導体のイラスト

つまらない冗談から始めてしまいましたが、現代の生活を維持するうえで半導体は最重要の「資源」となっています。スマホをはじめとする電子機器はもちろん、自動車、航空機、医療機器、防衛装備品… あらゆるところで半導体が必要不可欠です。

半導体不足で交通カードの販売が止まったというニュースも記憶に新しいですね。

高度な半導体メーカーがあるかどうかは、今や国力をも左右します。そうした状況から、いま、東アジアにおいては日本、韓国、台湾の結びつきを"chips"が強める様相をみせています。


同じ日に日本と台湾で株価最高値更新

7月4日、東京株式市場では日経平均の終値が史上最高値を更新しました。日本株に投資している人たちにとっては嬉しいニュースです。

同じ4日、台湾証券取引所の加権(かけん)指数/TAIEXも終値が史上最高値を更新しました。

同じ日に東京と台北が株高に沸いたのは、偶然とはいえません。どの国の株価指数もニューヨーク証券取引所での値動きなどに強く影響される、グローバルなものです。

日本と台湾の株式指数が上がった大きな要因は、ニューヨークでIT銘柄の多いナスダック総合指数が、連日、最高値を更新していることです。

とくに、台湾の半導体受託製造世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の株価は絶好調です。初めて大台の1000台湾元(約4963円)を突破。ここ5営業日で株価は5%以上も上がっているのです。

そして、日本企業の中にも、このTSMCの恩恵に授かる形で株価が急ピッチで上がっているところも少なくありません。例えば、こちら ↓ の日経新聞記事によれば、TSMCの先端工場における水処理を一手に引き受けているオルガノの株価は、この5年間で10倍にもなったとか。

台湾の「護国神山」TSMC

TSMCは、台湾では国を自然災害から守る3000メートル級の山々に例えられて「護国神山」とまで呼ばれています。
そのココロは、中国による軍事侵攻の脅威から台湾を守るうえで、アメリカをはじめ西側陣営の関与を引き込むうえでTSMCが大きな役割を果たすようになったためです。

TSMC本社(同社の㏋より)

民主主義を守るため、がアメリカが台湾への軍事支援を始めた大義名分でした。そこに「最先端半導体の拠点としての台湾を守らなければ、アメリカはもちろん、世界の経済が大混乱に陥る」という実利的な理由が加わったわけです。

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