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ツァーリと王 手の内は明かさず

前回の記事でも書きましたが、ロシアのプーチン大統領が平壌を訪問して金正恩(キム・ジョンウン)総書記との首脳会談に臨みました。

そこでも書いたように、プーチン大統領としてはミサイル類を自分たちに売ってくれる数少ない国にしっかりお礼を伝えに赴いたわけです。
一方、注目された露朝の軍事協力に関して、金正恩氏が「両国の関係は同盟関係という新たな高い水準に引き上げられた」と述べたことで、予想以上に露朝の結びつきが強化されたのかという懸念が広がっています。


「包括的戦略パートナーシップ条約」

焦点となっているのは、今回の首脳会談でロシアと北朝鮮が結んだ「包括的戦略パートナーシップ条約」です。これが、両国の軍事協力の深まりをどこまで謳っているのかが、最大の関心事です。

ただ、両国とも条約の内容を公にしていません。ツァーリ(皇帝)プーチン氏と王・金正恩氏としては、とりあえず手の内は明かさないほうが米国などを牽制するうえで賢明だと考えた可能性が高いです。韓国政府は分析を急いでいます。

一つ大事なのは、会談後の共同記者会見で、「同盟」という言葉を使ったのは金正恩氏だけで、プーチン氏は口にしなかったこと。プーチン氏は、条約には「一方が第三国から攻撃を受けた場合、相互支援を提供する」という内容が盛り込まれたと説明しています。

この「相互支援」が何なのか、まだ分からないというわけです。

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