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膨張宇宙における時間的光理論

「相対性原理は等価原理に依存する」から相対性原理に光の運動量の等価原理を要請することにより、膨張宇宙におけるお互い様の時間の遅れと、双子のパラドックスの再興から宇宙論的な情報量の増加について考えていきたい。例によって追記追記で書いていきますので更新をチェックしながらみてください。

宇宙論的な「時間の遅れはお互い様」

前にドップラー効果と重力赤方偏移と宇宙論的赤方偏移の違いについて書いていたひゃまの論文から、

これは、局所的なスケールダウン(空間の方向に移動)とは対照的に、宇宙論的なスケールダウン(時間方向の減速)です。
ハッブル=ルメートルの法則から:後退速度(v₊)と相対速度因子(γ₊)は、
  v₊ = H₀d = cz, γ₊ = c /w₊= c /√(c² + v₊²)(9).
エネルギーと相対速度因子の関係は次のとおりです。
  E =hf₊= h(γ₊f₀)=(γ₊m₀)c²(10).
  h:プランク定数、m₀:静止質量.
波長(λ₊)と赤方偏移の量(z)の関係は次のとおりです。
  λ₊ = c / f₊ , z = ⊿λ /λ₀= ( λ₊ - λ₀)/λ₀(11).
遠方の銀河からの光は赤方偏移しているように見えます。逆に、遠方の銀河から見ると赤にシフトします。これは対称的な時間の遅れです。

 (2022/03/07) ひゃま Transcendental relativity

階層性な等価原理を特殊相対性原理に当て嵌めた結果、膨張宇宙における「時間の遅れはお互い様」になります。

これは天文学では固有運動として知られ、Doppler 効果によって波長がずれる元になる。し かしながら ≳ 100 Mpc の領域では宇宙論的な赤方偏移が優勢になるので、Doppler 効果と宇宙膨張による赤方偏移を混 同してはならない。

菊地原正太郎 4年生特訓ゼミ with Observational Cosmology by Stephen Serjeant

特殊相対性理論の「双子のパラドックス」

膨張宇宙において「時間の遅れはお互い様」が普通に起きていることが確認できると、今までのミンコフスキー空間の「双子のパラドックス」の考え方で満足できなかった説明に対して、完全な説明ができるようになります。

【さらに混乱させることになるかもしれない余談】
 以上のような説明を読むと「じゃあ、一周すると元に戻るような宇宙では、特殊相対論は成立しないのではないか?」と不安になる人がいるかもしれない。結論を書いておくと、そういう宇宙の場合、宇宙全体に対して特殊相対論が成立している(別の言い方をするとローレンツ不変になっている)ことはありえない。そもそも「一周して戻ってくる」と考えた時点で、「一周した時に同時刻線がずれない座標系」はその宇宙にとって特別な座標系になってしまい、「どんな座標系も同等である」という特殊相対性原理は崩れてしまう。

(2022/03/21) いろもの物理学者 兄が宇宙を直進して一周する時、双子のパラドックスはどうなる?

そもそも「双子のパラドックス」は特殊相対論の「お互い様に時間が遅れる」は現実的になんやねん?から来ているので、それを両方満たさないといけない。
宇宙膨張の慣性に従って離れるとき、

弟 ⇐ お互い様な時間の遅れ ⇒ 兄。

宇宙膨張の慣性に逆らって近づくとき、

弟 ⇐ 再会のために近づく ⇐⇐ 兄。

宇宙膨張で離れて行くお互い様な時間の遅れが、「双子のパラドックス」で説明される時間の遅れに追加され、宇宙膨張の慣性に対してどちらが慣性軌道を乗り換えたのかが明確になる。

ほとんどの教科書や研究論文は、共動するオブザーバー間の共動距離を、時間に関係なく固定された不変の量であると定義していますが、それらの間の動的で変化する距離を「固有長」と呼んでいます。この使用法では、共動距離と適切な距離は、宇宙の現在の年齢で数値的に等しくなりますが、過去と将来で異なります。銀河までの共動距離が示されている場合 χ、適切な距離 d(t) 任意の時間に t 単にによって与えられます {d(t)=a(t)χ} どこ a(t) はスケールファクターです(例:Davis&Lineweaver 2004)。[1]適切な距離 d(t) 時間tでの2つの銀河間の距離は、その時点でそれらの間の定規によって測定される距離です。[5]

(2022/03/22) 共動距離と適切な距離

宇宙膨張による時間の遅れの証拠

そうは言っても、宇宙膨張が時間の遅れという証拠あるの?

について物理学の未解決問題から、

地球フライバイ・アノマリー

地球に双曲線軌道で接近したいくつかの太陽系探査機にみられる、計算と一致しない小さな速度変化の原因は何か?[1]

天文単位の永年増加

天文単位系では惑星の動きが力学法則に従っているのに、レーダー観測では惑星は遠ざかっているというデータが得られており、メートルに対して天文単位が増加しているようにみえる。 この現象はどう説明するのか?[1]

離心率の増大

月は潮汐摩擦によってゆっくり遠ざかっているが、同時に軌道が少しずつひしゃげていることがレーザー観測から判明している。 力学的モデルとは一致しないこの離心率のわずかな拡大の原因は何か?[1]

まとめ

このように特殊相対性原理に階層性な等価原理を当て嵌めると、局所慣性系に留まっていた特殊相対性理論も宇宙膨張の大域的慣性系に広がり、現実味を帯びてくる。

これは宇宙全体の状態と結びついたマッハ原理の大域的慣性系に近づいたとも考えられるが、宇宙膨張は、個々にはスケールダウン(分裂)しながら非平衡状態の情報量の増加(エントロピーの増大)しているとも考えられる。

熱力学第2法則に従って、宇宙の S (エントロピー) は増 大する。しかしながら、系の境界条件が変化して、S maxも 増大する場合には、I max の増加も可能

宇宙はなぜ進化するのか?

以下の宇宙が膨張→宇宙時間が減速に読み替えても同じ原理になります。 https://www.asj.or.jp/geppou/archive_open/1978/pdf/19781203.pdf





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