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社会福祉法人で働くということ

僕の担当する事業所は3つ。
そのうち2つは、今年度の経営状況が思わしくなく、だいぶ苦戦しています…

管理者としてやってきた5年の中で一番やばい状況で、お金のこと、人のこと、営業のことなど、なかなか解決しません。

だいぶ困りました…


福祉の仕事をして15年。
今までは障がいのある人のことだけを考えて仕事してきました。

障がいある人の就労先がないから企業開拓にエネルギーを注ぎ、
就職後の余暇の充実を目指して温泉やキャンプに行ったり、
利用者支援の質や利用者満足度を高めるためにクレドを作ったり、朝礼や終礼で浸透させたり…

事業所を利用している目の前の障がいのある人のことばっかり考えてきたように思います。

自分で言うのもなんですが、それなりに頑張ってきたつもりです。
でも、今年度は経営がうまくいかない…

結果が出ないので、法人にもだいぶ迷惑かけてしまってます。


今、いろいろ考えて思うことは、
「営業」を全くしてこなかったってことが一番の敗因です。

新しく利用してくれる人を探す、宣伝する、見学に来てもらう、契約する。
新しく来店してくれるお客様を探す、イベントやキャンペーンを周知する、来店・購入してもらう。

「営業」のことをちゃんと考えて、力を入れて、戦略的に進めることを全く考えてこなかったことが一番のうまくいっていない要因です。


僕は、15年間、社会福祉法人で仕事をしてきました。
営業、広報、新規開拓なんてことは、ほとんど考えてこなかったし、重要性をちゃんとわかっていなかったんだと思います。

今、もう遅いですけど、めちゃくちゃ反省しています。


社会福祉法人で働くこと。
非営利組織で働くということ。

儲けなくていい
稼がなくていい
目の前の人の支援を一生懸命やればいい
って思いすぎているところがよくないのかもしれません。

実際に、僕もそうでした…


でも、そもそも社会福祉法人で働くって、どういうことなのか。
営利団体と同じように、営業や広報に力を入れて、赤字を解消して、利益を出しながら事業を持続可能なものにしていくことなのか…

そうすると、営利、非営利に変わりはないようにも思えてきます。


ときどき読み返す「ドラッカーの非営利組織の経営」。
そこには、非営利組織にもマーケティングが必要である、と書いてありました。

非営利組織のマーケティングは販売とはまったく違う。マーケティングとは、まずマーケットを知ることである。マーケットリサーチである。次に、マーケットセグメンテーションである。そして提供するサービスの受け手の側に立つことである。そのためには、何を、誰に、いつ売るかを知らなければならない。
非営利組織のマーケティングも、企業のマーケティングと同じ言葉、同じ道具を使う。ただし内容はかなり違う。非営利組織は目に見えないものを提供する。顧客にとって価値あるものを提供する(本書より)


これは、企業のマーケティングと同じです。
でも、見えないもの、価値あるものって何なのか?
非営利組織にしかできないこと、自分たちにしかできないことって何なのか?

経営を立て直し、安定した事業運営をする。
そのために自分たちが進むべき方向性を明らかにするためにも、「マーケティング」の視点はとても大切なのかもしれません。

本書では、
「非営利組織のマーケティングにおいて特に留意すべき重要なことが、強みへの集中である。」とも書かれていました。

ここまで読むと、進むべきことが少し見えてきたようにも思います。


事業所、法人にとっての強みは、結構はっきりしているように思います。
今、はっきり言えることは、「自閉症支援に特化」していること。
加えて言うなら、「権利擁護・虐待防止の視点を最も重要視」していること。


いろいろピンチですが、改めてこういったことに気づくことができ、考える機会をもらえたことに感謝しつつ、結果を出せるよう社会福祉法人としてのやるべきことを考えてみます。

スピード感持って、出来ることにチャレンジしたいと思います。

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