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個別支援計画の書き方

おはようございます。
先日、出張先で降りる駅をひと駅間違えてしまいました。
約束時間ギリギリってこともあって、次の駅まで猛ダッシュ!
仕事前の運動って、ホントやるもんじゃないですね…。
ボーッとせず、落ち着いて行動しようと思います。


さて、今日は個別支援計画の書き方について。
僕の職場は、成人期の人が通う通所の事業所ですので、通所前の利用契約は「ご本人と事業所」で結ぶのが前提です。
そのため、個別支援計画は「ご本人のため」に作るのが大切ですので、その点を重視して書いていきたいと思います。

ご本人の願い(家族の願い)

支援計画を作る上で、まず最初に取り掛かることは「ご本人の願い」を聞き取ることです。
「ニーズ」とも言いますが、ご本人のやりたいことや叶えたいこと、希望や想いなどがご本人の願いとなります。

ご本人の願いは、面談や普段接する場面で丁寧に聞き取り、うまく言葉にできない人なら「言葉の裏にある願い」を読み取るスキルが支援者には求められます。

願いは、ご本人なりのタイミングで教えてくれることもあるでしょうから、普段の関わりの中で継続的に聞き取っっていくことをお勧めしたいと思います。

長期目標と短期目標

「願い」を基に、長期と短期で目標を立てます。
ここでよく間違えやすいのは、個別支援支援計画での目標の「主語」は、「支援者」です。

目標は、支援者が取り組む「支援の目標」ですので、支援者がご本人の願いを実現するためにやるべき目標を長期と短期で分けて考え、書いていきます。

例えば、就労移行支援なら「長期は2年」「短期は3ヶ月」という感じで考えていいように思います。

ご本人の目標も書いておこう

この時、ご本人にも長期と短期の目標が記載されていると、なお良いように思います。

これも就労移行支援に例えると、

・長期のご本人目標は、パソコン使う仕事で就職する
・短期のご本人目標は、エクセルの関数とショートカットキーをマスターする

などといった感じで、このような目標があると、支援者も長期と短期の目標を考えやすくなります。

ちなみに、さっきのご本人の目標に重ねて、支援者目標を書いてみると、

・長期の支援者目標、パソコン使う適する職場を開拓し、就職支援します
・短期の支援者目標、エクセル練習の機会を作り、適宜アドバイスします

などが考えられるかと思います。

支援者が支援する内容は、当たり前ですが「本人中心」です。
ご本人の願いや目標など、ご本人の意思がないと支援できないですので、「ご本人の目標」はないよりあったほうがよいものです。

もし、ご本人がうまく話せないとか、意思を汲み取りにくいとかなら、ご家族や親戚、主治医や相談支援の人などから情報収集することで、ご本人の「見えない願い」が少しずつ明らかになってくるかと思います。

具体的な支援内容の書き方

今回のテーマで一番のポイントは、ここです。
支援内容を書く上で、「言葉の選び方」「表現の仕方」はとても大切です。

教科書的に言うのなら、

・ご本人にとって分かりやすく書く
・合理的配慮の視点も交えて書く(ご本人の理解度に合わせる)
・平易な言葉で肯定的に書く
・数字(日程、回数、量など)や固有名詞(人の名前や場所など)を使って具体的に書く

などが大切なポイントになります。

例えば、発達障害の人の場合、独特な言い回しや言葉遣いをされることがあります。
そんなご本人特有の言い方が世の中の人に伝わりにくい表現であったとしても、ご本人にとって分かりやすい言葉であるなら、その言葉をそのまま活用したほうがいいと思います。

また、個別支援計画は「ご本人のための計画書」であるため、指導的や指示的な書き方はあまり望ましいものでありません。

ご本人の願いや目標に理想と現実のギャップがあったとしても、「人生における自己選択と自己決定の権利はご本人自身に存在するため」、その内容に支援者が良し悪しつけるものではなく、支援者はそのような立場にないということが前提にあると思います。

そのため、指導的や指示的な書き方ではなく、「支持的」「肯定的」「具体的」であることが望ましく、「ご本人を応援するスタンス」で書くことが良いかと思います。

ポジティブな書き方は、ご本人が支援計画の内容を肯定的に理解できる可能性が高まりますし、納得感も生まれやすくなります。
「ご本人のための支援計画」ですから、ご本人が理解しやすく、前向きに捉えて行動しやすい内容が理想であると思います。

実施報告(モニタリング)の書き方

さて、長期と短期の目標、具体的な支援内容が完成したら、ご本人の同意のサインをもらって支援がスタートします。

その後、就労移行支援なら3ヶ月ごと、就労継続支援B型なら6ヶ月ごとというように、支援の実施報告(モニタリング)を作る必要があります。

実施報告での書き方ポイントは、シンプルに言うと以下のとおり。

・具体的な支援内容をご本人に実施してどうだったか
・支援者の短期目標は達成できたか
・達成できなかったとすれば、何が要因か
・現時点で、支援者の長期目標に近づいているか
・近づいていないとすれば、何が要因か


これはよくある話ですが、実施報告を書く上でついついやってしまうのは、期間中のご本人の様子をたくさん書いてしまうこと。
決して悪いことではないですが、本来的な実施報告(モニタリング)の意味からはかけ離れてしまいます。

実施報告は、モニタリングです。
支援者たちが実施した支援を支援車自身(もしくはチームみんなで)きちんと振り返り、計画していた支援内容の実施状況を利用者であるご本人にきちんと報告するってことが本来の意味です。

ここを間違えないように実施報告を書くことが大切なポイントかと思います。

 


個別支援計画の書き方については、以上となります。

読んでくださった方にとって、何かの参考になればうれしく思います。

 

 

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