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地域生活支援で必要なこと〜行きつけのお店を見つけよう!〜

おはようございます。
ウィズコロナと年の瀬。
今年は実家にも帰れそうになく、寂しい正月になりそうです。
この前買った鬼滅の刃の全巻を楽しみに、明後日からの冬休みを楽しもうと思います。


さて、今日は地域生活支援について。
障害のある人が、地域で、自分らしく、生活するためにはどんな支援が必要か…。
ブログを書きながら考えていきたいと思います。

「行きつけの店(場所)を作ること」。

今日のブログで言いたいことは、これです。
書きながら考えようと思いつつも、たぶん今日言いたいのはこれ。


noteで爆発的な人気がある、「岸田奈美さん」。
僕にとって大好きなブログのひとつで、いつも楽しく読ませてもらっています。


岸田さんの弟(良太くん)はダウン症があり、良太くんとのエピソードはブログでたくさん語られています。
ブログは、おもしろおかしく書かれていて、読みながら笑ってしまうこともしばしば。

岸田さんの文才が素晴らしいものありますが、たぶん、良太くんがめっちゃいい人で、めっちゃ純粋で、めっちゃいいキャラなんだと思います。


岸田さんと良太くんへの想いは置いといて…、

岸田さんのブログでは、良太くんの行きつけのお店がちょくちょく登場します。
コンビニ、定食屋、美容室などなど…。

それぞれの場所は、良太くんにとって安心する場所でもあり、お店の人も良太くんのことをよく(もしくはなんとなく)知ってくれていて、そこでのやりとりやエピソードは、岸田さんのブログを読むかぎり、とてもほんわかしています。


福祉の仕事は、「ノーマライゼーションの理念」で成り立っています。
普通に、あたり前に、地域で生活すること。
この仕事をする上で忘れてはいけない大切な理念です。

障害のある人を「同じカテゴリー」として「集約」して支援するのではなく、「分散」して、「地域の中」で、「他の人と同じように」地域で生活できるようにするのが地域生活支援の役目。

そのためには、「行きつけのお店」が必要なんだと思います。


さきほどの良太くんは、美容室に一人で行ってるようです。
お金はお母さんからお札を受け取り、お願いしたい髪型は雑誌の切り抜きを持っていき、それをお店の人に渡せば「話せなくても一人で行ける」ってわけです。

もちろん。一人で行けるようになるには、何度もお母さんの付き添いがあり、徐々に一人で行けるようになったんだと思いますが…。


障害のある人は、家族、ドクター、学校の先生、支援者など、限られた人間関係の中で生活されていることが多いものです。
知り合いの多い少ないが良いことでも悪いことでもないですが、限られた人としか関係性を築けないことは、障害のあるご本人がその道を選んだわけではなく、周囲の関係者が出会う人を限定的にしていることが多いように思います。

(障害のある人のやりたいことや行きたい場所は、家族や支援者のコントロール下で実現していることがほとんどでしょうから…。)

その分、周囲の人は、障害のある人の生活や人生を「安全」「安心」なものにしようと「保守的」になることがあります。

つまり、地域や社会に出ていくという発想よりは、今の生活(自宅、入所施設、グループホーム)や日中活動(B型や生活介護など)を維持することに努め、新しいことにチャレンジしにくくなってしまいます。


支援者ができることって、実はそんなにたいしたことはなくって、障害特性の理解や専門性も必要な一方で、「ご本人と地域の橋渡し」が何よりも大事な役目であるように思います。


僕は、就労支援の現場で働いています。
障害のある人を企業に送り出す仕事。
職業訓練、就職活動、就職後の定着支援を担当しています。

就労支援においても「橋渡し」は重要な仕事で、特に「理解ある企業を探すこと」が何よりも大切です。
周囲の理解があれば、障害特性もポジティブに受け入れてもらえ、ご本人も自分らしく働けています。


地域生活支援って、ここ最近はグループホームが必要だとか、ひとり暮らしが必要だとか言われてますが、それよりもっと大切なのは「地元に行きつけのお店を作ること」なように思います。

障害のある人と地域を「どう橋渡し」するか。
地域とのつながりを「実感」でき、生活を続けることでつながりが「充実」していき、支援者がいなくても地域で生活できるようになる。

障害のある人にとって、地元に行きつけのお店があれば、自然と、定期的に、外に出る機会も増えるはずですし、一人ひとりが自分の行きたいお店があって、そこに通い続けることで行きつけのお店になり、その店の店員さんとの関係性を作っていくことができれば、ノーマライゼーションの理念に少しずつ近くんじゃないか…。


岸田さんのブログを読みながら、そんなことを思いました。

ノーマライゼーションの理念、忘れないようにしたいです。

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