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20年前の「質問と対話」が生み出したもの

対話の時代


最近【対話】という言葉がよく聞かれるようになりました。

何故、でしょうか?

対話から何が生まれると、期待されているのでしょうか?


たった一つの質問


「あなたはどう思う?」というたった一つの問いかけ。

20年以上前のことですが、その時の一言が私を動かしました。


それまで考えてもいなかった、
メンタルトレーニング研修のカリキュラムをゼロから作る、
ということをやり始めたのです。


問いかけをくださったのは、当時の、研修チーフリーダーでした。

ベテランの大先輩の彼女が、福谷さんなら、どんな研修にしたい?
と問いかけてくれたのです。
そして、作ってみたら? と。


びっくりしました。

そんなことは1度も、やったことがなかった、
知識も資格も何もなかった、

でも考えてみて、と言われた時、
よーし、考えてみよう、と、何かザワザワしたものが
体の中から沸き起こるとても不思議な感覚に襲われたのでした。

対話が始まる


そして、私はカリキュラムを作り、
それを元に、チーフリーダーと何度も何度も対話をしました。

何故、この部分が必要なの?
ここで伝えたいのは、論理?それとも感情?
この時、受講生は何に気づいているの?

何故、このテーマの次がこのテーマなの?
順序には必然性があるの?
それとも、意図する流れがあるの?

様々なことを、様々な角度から何度も話し合いました。


その時の、不思議なフラットな対話が、私を驚かせました。
これまでそのような対話を誰ともしたことがなかった・・・。

常に上か下か、
先輩か後輩か、
先生か生徒か、
命令するものか、従うものか、

しかし、たった一言の質問から、
私たちは、本当に不思議なフラットな対話を
作り出すことができたのでした。


対話という体験


その経験は大きな衝撃でした。

対話には、自分も相手も
これまで、全く想定してこなかったような
新たな可能性を引き出す力がある、ということです。

それは現在の私を形作る大きなターニングポイントでした。


私たちは 、人をサポートする時、
「アドバイス」ではなく、【対話】を交わすことで
新たなものを生み出す喜びを、互いに味わうという経験をすることができます。

たったひとつでもそれがあれば、
どんなに今、大きな課題を抱えている人でも
それを解決し乗り越える希望を持つことが出来ます。


協働ということ


対話は、命令でも指示でもありません。
互いに同じプラットフォームで、対等な目線で、異なる意見を尊重しつつ、
その中から新たなものを一緒に創りあげる、という行為です。

協働、といっても良いかもしれません。

二人の法則

ヒトの最小単位は、一人じゃなくて
ふたりなのだそうです。

マーケティングの神様とも言われる
神田昌典さんの言葉です。

質問してくれ、頷いてくれ、共感してくれ、時には疑問を呈してくれ、
そういう誰かが居てくれる、そこに対話が起きると、
仕事効率に数倍の差が出るのだそうです。

二人の法則を発展させたのが、
もしかしたら、ですが、宇田川元一さんの
『組織が変わる、行き詰まりから一歩抜け出す対話の方法2on 2』
という本かもしれません。

2on2とは従来の1on1という方式ではなく
2対2、つまり4人かそれ以上で対話する、というものです。
この対話方法で上司も部下も、見えている風景がゴロッと変わる、と言います。

見えている風景が変われば、当然発想も激変するでしょう。

対話にはこんなとてつもない力があることに
多くの人が気づき始めている、
素晴らしい時代を私たちは生きているのかもしれない、と
ちょっとワクワク感で満たされる思いでした。


職場でも家庭でも、目の前の人をサポートするため、
【対話】という経験に、ぜひトライしてほしいなと思います 。

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