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サービス残業当たり前の保育士が、業務精査に本気になったことで、持ち帰り仕事をほぼ0にした仕事術

保育士時代、残業も持ち帰りの仕事も多かった。
やりがいのある職業だし、子どもたちは可愛いし、自分の力不足もあるし、周りも当たり前にやっているからと、頑張っていた。

でも、保育士として子どもと関わる中で、ふと気付いた。

「自分の心に余裕がなければ、子どもたちはもちろん、周りにやさしい関わりをすることは難しい」って。

今回は、サービス残業が当たり前の世界で働いていた保育士が、自分の心を健やかに保ちつつ、保育の仕事を楽しく続けるために行った仕事術について書いていきます。



当たり前を疑う

「昔からの伝統だから」
「いつもこうだから」

それって、今の時代にあっている?
いつもこうだからは、それがベストだからしているの?
内容が被っている業務はない?

今まで通りの流れでやることって、文句や不満はあっても、やる流れは決まっているし楽なんですよね。

でも、文句や不満を吐くのなら、どのようにしたら、今の自分とこれからの自分が楽になるのかを考えたほうが、長い目を見たときに良くないですか?

やり方を変えるということは労力がいります。
でも、今、頭をたくさん使えば、今後が楽になるのですよ。

不満を言うより、どう改善したら楽になるのかを考えたほうがすっと楽しいし、考える中で、しぜんと仕事に向き合えて、今の仕事に愛が湧いていきます。

案外、変えたいと思いながらも声に出さない人は特定数いるので、勇気を出して提案してみたら、賛成してくれる仲間は多いはずです。


誰にでもできる状態にする

保育士って、人手が足りない現場が多くないですか?

わからないから聞きたいと思っても、忙しそうで先輩に聞けない新人さん。
自分の仕事の負担を減らしたいから、早く一人前になってほしいと思いながらも、教える時間を確保する事すら難しい、目まぐるしく現場で働く先輩保育士さん。

どちらも「教えたいし、教わりたい」との思いがあるのに、忙しさからそれが叶わず、言葉でやり取りしないから思いのすれ違いが生まれる。

「あの先輩何も教えてくれない。こわい。」
「あの新人、何も質問してこない。仕事できない。」

こんな風に互いに感じてしまい、人間関係がギクシャクしたら、いやじゃないですか?

本当は、人手不足が解消されることが一番です。
でも、それが叶わないのなら、マニュアルを作り、共通理解を視覚的にして、誰でもできる状態にしましょう。

そうすれば、読むことで大まかな流れは理解できます。
すると、具体的な質問ができるので、より実践的になりますし、質問の時間も有意義になります。

「この仕事は〇〇さんしかわからないから」なんて状況になったら、〇〇さんがいつまでもずっと、その仕事の時に頼られて、大変ではないですか?

誰にでもできる状況を作れば、自分も休みなどで穴をあけやすくなるし、毎回同じ質問に答える手間も省けます。


タスク管理を徹底的に細かくする

タスク管理とは、一般的に個人が自分の業務内容を管理することを指します。要は、自分の今やらなければならない仕事が分かっていて、管理できている状態のことです。

やることリストを作って、達成したら消していくと、視覚的にも達成感が感じられるので、やる気アップにつながります。

私のおすすめの管理方法は、以下の通りです。

①一つの業務をとにかく細かくする

懇談会開催に向けての準備を例として考えてみます。
必要事項は以下です。

・日時と場所の決定。
・内容の決定。
・詳細を上司に報告し、承諾をもらう。
・保護者へ連絡。
・保護者へ連絡の際に配布する手紙の作成。
・職員内で共通認識するための計画書の準備。
・当日必要な資料の作成。
・購入伺いを立てる。
・必要なものの買い出し。

思い当たるものを、ざっとすべて書き出します。
次に、これらを、当日までの流れに沿って並べ替えます。
この時ポイントとなるのが、自分以外の相手が関わるものかどうかです。

今回の場合では、太文字が相手ありきです。

・日時と場所の決定。
・内容の決定。
・詳細を上司に報告し、承諾をもらう。
・保護者へ連絡。
・保護者へ連絡の際に配布する手紙の作成。
・職員内で共通認識するための計画書の準備。
・当日必要な資料の作成。
・購入伺いを立てる。
・必要なものの買い出し。

相手ありきの場合、いつ返事がもらえるかわからないし、早めに連絡することで、相手の都合を考慮することにつながるので、余裕をもって優先して進めていく事項に当たります。

逆に、確認が済んで、自分で当日までにどうにかすればいいものは当日に間に合えばいいので、隙間時間を見て進めればよいことと、解釈できます。

②締め切り日を2日前にすべて設定する。

すべて2日前など、余裕をもって設定してしまえば、全体の進めるバランスがすべて前倒しになるので、期日に遅れることはありません。

ポイントは、前倒しで余裕をもって期日を設定しているという概念を捨てること。

余裕があると思うと、どうしても「まだいいか」となってしまいます。
全部前倒しに設定することで、自分の進んでいる世界線を、現実より一拍はやめて過ごしているだけで、やっていることは変わらないようなイメージを持つと、わかりやすいかと思います。

③そのタスクはどんな場面なら、こなせるのか

隙間時間命の、保育業界。
いつ何時、チャンスが来るかわからないため、少しの時間でもうまく使って業務を進める視点を持つことが、残業を減らすうえで、私は効果的でした。

例えば、制作物の準備で切る、貼る、組み立てるような作業。
これは、会話をしながらでも進められる、頭を使わない単純作業です。
疲れた時や、同僚との雑談でコミュニケーションを図りながらの場面にでも進められます。

計画書や、指導案の作成は、頭をかなり使いますし、一人で集中して進めたい作業です。
比較的一人で集中しやすく、まとまった時間が確保される時間に進めるよう時間のねらいを定めておくといいでしょう。

④周りが働きやすい環境を整えることは、自分自身も働きやすい環境になる

有給を取る同僚に対して、「人で不足だから」や「こんな忙しい時期に」ということは、逆に忙しくて人手が不足している時期には自分も休めないということになります。

慢性的に忙しくて人手が不足している状態である保育現場で、そんなことを言っていたら、ずっと有給取得率が上がらないと思うのです。

保育士定数が割れないのであれば、みんなお互いさま精神で、協力し合って、休めることが当たり前の職場環境にしてしまったほうが、良いと思うのです。

そのためには、誰かが初めに動かなくてはなりません。それか、同じ思いを持った仲間を集めて、みんなで行動に移してしまいましょう!

保育士定数とは

保育士の数は、乳児おおむね三人につき一人以上、満一歳以上満三歳に満たない幼児おおむね六人につき一人以上、満三歳以上満四歳に満たない幼児おおむね二十人につき一人以上、満四歳以上の幼児おおむね三十人につき一人以上とする。ただし、保育所一につき二人を下ることはできない。

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準 第33条第2

現場の保育士さんへ


今回は、新規立ち上げの小規模保育園で働いた保育士が、実際に行った仕事術について書かせていただきました。

私の職場環境は、職員の人数が少数であったことや、新規立ち上げでマニュアル作りを1から行っていたことも、この仕事術を達成できた大きな要因であると自覚しております。

決して、一番上の立場ではなかった私ですが、声を上げたことで、反映してもらい、好きなように動かせもらえたのも事実です。

ここで働くことを自分で決めて仕事をしている以上、「住めば都」を自分で作りたい思いもありました。

オンオフつけて働きたい!
プライベートの時間は大好きな旅行に行き、自由に使いたい!

そんな思いが私の原動力でした。

周りを巻き込むことが難しい環境で働かれている保育士さんも、多いと思います。
でも、周りの環境のせいにして、その園の当たり前を疑わず、自分の心や体を犠牲にして働いてほしくはないのです。

心に余裕がなくなってしまっては、大好きな子どもたちに対して愛情いっぱいの関りをすることは難しくなってしまうと思います。
優しい心をもった方が多い業種だからこそ、忙しさに忙殺されて丁寧で思いやりのある関わりができなくなってしまうのは、もったいないし避けたいです。

働きやすい環境を整えることで、保育士さんが、心健やかに楽しく仕事をしていけるよう、願っています。

今回の記事が、忘れていた初心や気持ちを思い出したり、現状を変えたい保育士さんのきっかけになったりすることを、切に願っています。





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