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トラップハウスいらっしゃいませ

新年あけましておめでとうございます。といいつつもう2月。
さて今回はくだらない話をする。それが大学時代、自分が住んでいた家の話だ。懐かしい大学時代のマイハウスはとても不人気だった。友達の意見をざっと羅列すると
・お前、マジでこの家で寝てるの?
・できることならお前の家には泊まりたくない
・修行してるの?
といったところである。どうやら基本寝心地が最低のようだ。
正直、慣れているからなのだろうか、自分ではあまりなんとも思ったことがなかった。だからこそ、ちょっとショックな出来事であった。
たしかに、大学時代のマイハウスはとても汚かった。いかにも片付けのできない男の一人暮らしといった感じであろう。しかし、うちに泊まる機会があるような人間もまた、大なり小なり同じ要素を持った男である。自分が友達の家に泊まることもあったがそこまで自分の家との差は感じなかった。しかし、今改めて振り返るとイカれた家であったことは間違いないと感じる。

ではここからは大学時代のマイハウスがどうイカれていたかを解説していこう。皆さんも是非この家に泊まることを想像しながら、また泊まったことがある人は思い出しながら読み進めてほしい。
まず、第一のトラップは『寒すぎる床』である。基本大学生が友達の家に泊まるとき、床に雑魚寝が定番である。幸いにも、我が家には予備の掛布団が数枚あったのでそれを掛けて寝ることとなる。しかし、掛布団には弁慶の向こうずねにも相当する致命的な弱点がある。そう体の下に対しての無力さである。もちろんくるまれば弱点の緩和はできるが、正直効果は薄い。うちの床はそんな弱点に対して特攻を仕掛けてくる。真偽不明だが「断熱材がない」とされていた我が家の床は人の眠気を上回る冷たさを誇っていたため、一部の友達は寝袋を我が家に常駐させていた。
だが、友達の一部はこのこおりタイプの床に対して別のアプローチで対策を講じてきた。それが家主からベットを奪うことである。自分は特にこの床を気にしてなかったし、俺がまだ遊んでいる間にそそくさと寝ることでベットを奪取することが可能であった。また自分もそれを咎めなかった。だがそんな愚か者に牙を剥くのが第二のトラップ『殺人ベット』である。自分が愛用していたニトリの折り畳みベットは自分の使いかたが悪かったのか中央部に位置する骨組みが折れ、陥没しており、さらに敷布団がそれをきれいに隠している状態であった。そんなカモフラージュに騙され、ベットで寝ると慣れていない人間は腰を痛める。自分は自然と腰を痛めない寝方をマスターしていたため特に気にならなかったが、友達は基本このベットを扱うことはできなかったようだ。
そんなこおりタイプの床、かくとうタイプのベットと戦い抜いてようやく眠りについた者にもマイハウスは容赦なく追撃をかけてくる。そう、第三のトラップ『ばくおんぱ』の登場だ。少し説明すると、自分は一時期、朝の5~6時からアルバイトをしていた。朝の弱い自分は頑張って早朝に起きるため、朝4時半に、テレビから爆音でアラームが鳴るように設定していた。しかし人間の適応力とはすごいものでバイトを辞めるころには、そんな爆音のアラームの中でもすやすやと快眠できる体へと自分は進化していた。そのため自分はこのアラームの設定を切るというわずかな手間すらめんどくさいと感じ、アラームはそのままになっていた。今考えれば近所迷惑甚だしい。そして当然このアラームは耐性のない人間には圧倒的な破壊力を誇る。ようやく眠りについたはずがそれを一瞬にして吹き飛ばすのだ。また、このアラームはうるささもさることながら、もうひとつの凶悪性を持ち合わせていた。それが「止め方がわからない」ということだ。そもそもテレビがアラームを鳴らすということに馴染みがないため、寝起きの頭では何が鳴っているのかの判断に少し時間がかかる。さらに、テレビが鳴っていることに気付けても、どうすれば止まるのかも不明瞭だ。みな寝ぼけた頭で、唯一の手掛かりであるリモコンを探すがリモコンは基本自分の枕元にあるため、なかなか見つからないし、見つけても寝ている家主に配慮しながらリモコンを回収することを強いられるのだ。

こうして、安らかな眠りを奪われた人たちは自分に驚きの目を向ける。「こんな魔物が住まう家でなぜこいつは毎晩寝れるのか」そんな視線だ。だが、日本には住めば都という言葉もあるように、住んでいる当人にはどうしてなかなか気にならないものなのである。きっと自分は今後、どんな劣悪な環境でも眠れるだろう。それは鈍感なのか、強靭なのか…
といったところで眠ろうと思う。今は夜中の3時半。どんなにいい睡眠環境でも眠れない夜は眠れないものだ。それではみなさんアデュー。

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