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僕が僕である理由

何かの曲名みたいなタイトルですが(笑)。

僕がこだわっていることの一つに、ビジネスシーンにおける一人称は「僕」を使う、というのがあります。

これは話し言葉・書き言葉どちらもで、たまに行う講演のときや、取引先・諸先輩方とお会いするときでさえも「僕」を使っています。

ビジネスマナー的には「私」が正解だと思うのですが、「僕」という言葉の由来を知ってからは、これしか使えなくなってしまって。

元々「僕」という言葉には、「下僕(しもべ)」という意味があります。ただ、「僕」という言葉が一人称として使われるようになったのは明治時代以降で、その歴史は意外にも浅いんです。

幕末に活躍した思想家・教育家の吉田松陰が、自身をへりくだって呼ぶ言葉として「僕」を使うようになり、それが松下村塾の塾生の武士を中心に広まっていったのだとか。

この「へりくだる」という考え方が、ビジネスにおける自分のスタンスに通ずるものがあって、一人称を「僕」にしています。

いま僕は多くの人の支えで47グループの代表に就かせてもらっていますが、正直なところ、僕自身が他の人より秀でてると思ったことは一度もなくて。

たとえば、47の事業領域であるオフィス仲介・オフィス内装・オフィス家具については、僕よりも現場の社員たちの方が詳しいです。経営についても、僕より優れている人を何人も知っています。仲良くさせてもらっている友人たちも、それぞれの分野で僕が知らないことをたくさん知っていて。スキルも人間力もあって凄いな…と、純粋に尊敬しています。

そんなことを考えていると、自分のことを「僕」としか呼べなくなりました。なぜなら、僕は他の誰よりも秀でていないからです。

ただ、もしも僕が一つだけ誇れるものがあるとするならば、「僕」という言葉を流行らせた松下村塾出身の幕末の志士のように、世の中をもっと良くしたいという強い志を持っていること。これだけは誰にも負けたくない。そう思っています。

何者でもない「僕」ですが、志だけは忘れずに。力を貸してくれている優秀な社員や、取引先の方に精一杯の恩を返せるように。全身全霊で、47の理念である「ワークプレイスで、ゆたかな未来を」実現したいと思っています!

ということで、皆さまとお会いする時はシチュエーションを問わず「僕」と言ってしまうと思いますが、ご容赦いただけると幸いです(笑)。