#56 抗うフォース(強さ)の作り方 / May the Force Be With You
こんにちは。
5月4日と言えば、「May the 4th be with you」の日!
スターウォーズ・マニアじゃなくても、ユーモアがあって楽しくなるので、年に一度のこのダジャレは大好きです(笑)
こんな陽気なGWに、こんな陰鬱なテーマを持ってくるのはどうだろう?と思いつつも、今回は、フォース(勢力)に抗うフォース(強さ)について考えてみたいと思います。
二分思考な私たち
連休ということで、積読の山に手を伸ばしてたところ、ふと、こんな一文が気になりました。
そう、二元的思考。なんだかんだ私たち人間の根幹には白黒思考があると思います。「0 or 1」のコンピューターのように処理がしやすいからなのか、サバンナで敵から逃れるために、「生きるか死ぬか」の世界で生きてきたからなのか、二分化が大好きなのは間違いないと個人的に思います。
(得意だったボードゲーム=オセロな人間なので余計にそうかも笑)
そんな傾向は、組織心理学者 チャモロ・トーマス氏の研究の「人間は自信過剰な人を過大評価してしまう」という調査結果にも現れていると言えそうです。なぜそう言えるか?アダム・グラント氏の図を元にした前回の図をザクっと引っ張ってみます。
人間は基本的には二分思考であるために、「自分は正しい」「私たちは正しい」という感覚を中心にして、物事を学習します。学習レベルが上がっていくと、「それは違うかもしれない」「自分は間違っているかもしれない」という、「MAY」の曖昧さ(←どさくさでダジャレ)を抱くようになりますが、これは二分思考ではないため、理解し難い世界になってしまいます。
その結果、人間は「自分は正しい」という固い自信を持った強い独裁者の世界に、無意識的に引き摺り込まれて支配されてしまうんだと思います。
問題は、「自分は間違っているかもしれない」という目を持ちながら、どうやって「自分は正しい」や「自分たちは正しい」勢力と適切に距離を置けるのか。
自信に溢れる勢力と距離を置けるのか?
SNSでインフルエンサー達が言うように、そんな人たちとバッサリ縁を切って話が終わるならハッピーです。
だけど思うんです。縁を切っても切ってもキリがないから、少なくない人たちが困っているのではないか?
だって、「We love to dichotomize.」二分化思考が大好きなんですもの。
積読していたベストセラー本「ファクトフルネス」のように、だからファクトで示して訴えると言う考えもありますが、「自分は正しい」「私たちは正しい」という感覚を中心にしている人達は、自分の世界と一致しないファクトは無視します。
そして「間違っているかもしれない」世界の人達は、彼らほどの人達ほど自信を持てない。だから独裁的な世界は支配的であり続けられる。ならば、残された道は一つ。
陰鬱な世界に飛び込む(ただし時間制限付き)
かなりラディカルな考えだと思いますが、徹底的に、「自分は完全に間違っている」と考えることが大事なんじゃないかと思います。
この考え方はとても危険です。なぜなら、「何もかも自分が間違っている」という考えは、「うつ」そのものだからです。深海の奥底に飛び込むような絶望と苦しみを伴う陰鬱な世界であってもおかしくありません。
ただし、それは「うつ」だけど、「うつ病」とは違います。海底に沈むのが長期間でなければ、また、すぐに浮上できます。
ベストセラーを生んだ米国の精神科医M・スコット・ペック氏の著書では、そんな世界が描かれています。The Road Less Travelled(往く人の少ない道)という、とても美しい原題に惹かれて昔読んでハマりました。
さて、「うつ」の海底に飛び込んで、そこからどうやって浮上するのか?
道は2つ。何も発見できないまま、安全なうちに元の世界に戻る。
もう一つが、次の世界への鍵を見つけること。
徹底した「自分は完全に間違っている」というスクリーニングによって、ブラインドスポットに落ちている鍵を拾うことができれば、あとは「自分が正しい」世界まで、自分を変えて成長してしまえば良い。
このやり方なら、「自分は間違えている」というフィルターを通しているので、フィルターを経てそれでも残ったものについて、「自分は正しい」という自信を、自分よりも強い独裁者に負けない自信を持つことができます。
私自身が、「I might be wrong.」であることが正しいという価値観に一時期陥り、「I am always right.」な独裁者の世界に抗いきれず、結局は支配されていました。
二進も三進もいかなくなって、「I am totally wrong.」の海に飛び込んだ結果、今は独裁的な人達の世界に対して、「I am always right.」を貫いてます。
海底の鍵について
そして、飛び込んで見つけた海底の鍵こそが、「北極星」の存在を思い出させました。
最近もまた、飛び込む海を探しては、陰鬱な世界に潜り込んでいます。次の鍵はなかなか見つかりませんが、きっと見つけたいと思います。
そのフォースが、人生を実り豊かなものにしてくれると、今は信じているから。
May the force be with you
意味ある人生のために
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