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時間とは、生きるということ|おじいちゃんとレコード#2

時間をはかるにはカレンダーや時計がありますが、はかってみたところであまり意味はありません。というのは、だれでも知っているとおり、その時間にどんなことがあったかによって、わずか一時間でも永遠の長さに感じられることもあれば、ほんの一瞬と思えることもあるからです。
なぜなら時間とは、生きるということ、そのものだからです。そして人のいのちは心を住みかとしているからです。

ミヒャエルエンデ作『モモ』

ここ数日、本屋さんに立ち寄っては
この分からなさと、どうにか折り合いをつけたくて死に関連する書籍ばかりを手に取っていた。

そして、たまたま開いたページに
先ほどの一節が書かれていて、目を惹いたのだ。

どの本に書いていたかはパッと思い出せないのだけど、

手に取った本は限られているから、
恐らく、ほぼ日の糸井重里さんと小堀さんとの対談「いつか来る死」に記載されていたんじゃないかな….

違ったとしても、さらっと読んだ感じ面白かったのと、検索してみたらサイトの連載があるみたいだから、今度ゆっくり覗いてみる。

自分の体の衰えを感じたとき、身近な誰かが亡くなったとき。そういうときは、どっぷりと死のことを考えます。一方、「自分のお通夜はパーッと楽しくしたいな」と空想する日もあれば、赤ん坊と接して限りなく死が遠くに思えるときもある。いつでも真正面から向き合っているわけではありません。揺れ動いていて、考えが変わることもある。それでいいんだと思います。
(糸井重里「はじめに」より)

また脱線したけど(話が飛ぶのはいつものことなので、ご愛嬌🙏)

目を惹いた理由の一つは、『モモ』が大好きな本であったことも大きいが、ちょうど、時間への感覚について考えていたからに他ならない。

おじいちゃんが死んでしまってから今日で3日目。

本来であれば29日である今日は岡山県の倉敷から帰ってくるはずだった。

ここ数ヶ月、相変わらずバタバタした毎日を送っていた私は、仕事の兼ね合いで土曜の朝イチから広島の尾道に訪れていたのだ。

普段は2泊3日くらいで帰京してしまうのだが、
せっかくなら、瀬戸内の海に癒されようと、
そのまま岡山県に立ち寄より、珍しく長めの滞在を予定。

広島での日々は、その時の流れに身を任せながら、毎日新しいヒトやモノ・コトとの出会いがあり、あっという間に今回の旅も過ぎていきそうであった。

この調子だとすぐに11月29日がやってきて
翌日、働いたら次の日にはもう12月だ。
なんてことを呑気に思っていた。

そして東京に帰るはずだった29日。

私がいるのは、岡山でも自分の家がある辻堂でもない。

母から連絡があって帰ってきたのは月曜の27日。

それはつまり、広島から東京に戻ってから
まだ2日しか経っていないということで、

おじいちゃんが死んで3日目だということ。

そう。たった3日しか経っていないのかと思うと、
とても不思議な感覚だった。

気づいたら3日が過ぎていた気もするし、
それまでの間にもっと時間が流れていた気もする。

とにかく、これまでの時間の流れと全く違うことを感じていた時に見つけたのが、先ほどのモモの一節である。

「時間とは、生きるということ」

この一文を読んだ時、正直、すぐには腑におちず
むしろ、また一つ分からないことが増えてしまってなんやねん。って感じだった。

すぐに自分の解を出したくなる性分ゆえ、
一体どういうことを意味しているんだろうと
思考モードがフル稼働。

お散歩から帰ってきては考え、
お風呂に入りながらも考え、
こうやって文章を打っている間も考える。

もちろん、答えはすぐに出てくるわけでもなく
途中で煮詰まって考えている間に眠くなる始末。

もはや、考えなくても良いのでは?と思うけれど、とても大事なことであるような気がして

また、考える。

生きるとは。
時間とは。
家族とは。
関係性とは。
死との向き合い方とは。

そして、さらに問いかける。

どうやってこれからの時間を過ごしていくのか。
どうしたら、この瞬間を大切にしていけるのか。
何を届けて、どうしていきたいのか。

これらの問いを考えるのは
今に始まったことはではないし、

「人はいつ死ぬか分からない。」ということは
潰瘍性大腸炎になった時から、意識するようになっていたから

どちらかといえば、考えていた方だと自分では思う。

けど、それでも

おじいちゃんが死んだことで改めて投げかけられている気がする。

お前はどうするんだい。

1日そこらで答えなんて出てこないし、おじいちゃんのことだから、健康であればそれだけでいい。くらいにしか思ってはいないと思うけど。笑

今は、せめて、そう感じてることだけで
レコードしておく。

今日は、おじいちゃんのところへ向かう道すがらの写真を添えて。


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