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いわゆる依存症、雑感

私の立場はこれまでのいわゆるギャンブル依存症、ゲーム依存症うたがい調査は、ICD-11基準なら「障害」や「疾病」ではない「危ない遊び方」やそこにすら至らない場合を大量に含むので、「依存症」「障害」「症」を使うべきではない、というもの。

SOGSで調査すると当該行為をしている人の十数%は疑いになる。そんなのICD-11いうところのギャンブリング障害(ギャンブル症)のわけがない。疾病や障害ではない危険な遊び方すらこのうちうち。嗜癖過程をカウントするのはうまくない。

「ゲーム等をして快楽を感じると脳内に大量のドーパミンが出ます。毎日ドーパミンが出ると脳は段々感じにくくなり、より長い時間ゲームをしないと満足できなくなるので、時間のコントロールが難しくなります」などというアホっぽい表現を一掃してほしい。

厚労省の各所での説明に見られるように、薬物も行動も「依存症」とひとくくりにして、アルコールや薬物での知見を、行動にも当てはめるのはやめたほうがいい。脳の説明も不可逆性も、ゲームやギャンブリングにあてはめたとたんウソっぽくなる。そんな説明を子どもにしちゃだめでしょ。非科学教育。

「依存症」を薬物も行動も一緒にする説明形式はやめるべきだ。いずれもDisorders due to substance use or addictive behavioursだからといって、薬物で明らかになっている仕組みを行動に当てはめるのは論理の飛躍。相当に嘘になる。だいたい世にいう行動系の「依存疑い」は「疾病」「障害」ではないし

ドーパミン神経系、報酬系の仕組みは好きになっていく、ハマっていく仕組みの説明にはなっても、障害化、疾病化の仕組みの説明にはならんよ。文科省、厚労省、久里浜の説明とは違って。と脳システム論の課題で学生にコメントした。

好きになっていく、ハマっていく仕組みに報酬系、ドーパミン神経系がかかわるのは間違いないが、それは障害化や疾病化を説明しない。それで説明できるなら健全に好きになっている人、ハマっている人もみな病気。ゲーム症うたがい〇〇万人、ギャンブル症うたがい〇〇万人なんてのは大ウソ。
の調査につかった尺度が、DSM系と称するものは「重大な障害や苦痛につながる」を無視して症候チェックをしているだけ。ICD-11ベースの調査で「診断要件」を順守しているものはほぼない。

久里浜の皆さんは本当にICD-11基準に合致したギャンブル行動症の人が70万人近くもいる、だから啓蒙して医療につなげよう、と思っているんですか。ゲームテストでの数も本当に障害や疾病クラスがそれだけいると思っているのですか。「うたがい」という言葉でごまかさないでください。

私も含め、先行研究で多く採用している尺度を使ってしまうのがいけない。古くから使われていること、論文が多いことと、その尺度が求めることを調べるのに適切かどうかはえらく違う。

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