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健全な心・病的な心

破壊行動や周囲とのトラブル等を年中起こしている様ならば、
まわりから見て明らかにおかしいとわかる状態ばかりが、
心の病とされる状態とは限りません。
本人は辛さを抱え、痛みなどを感じていても大抵こう言った
悩みを抱える人は周囲に悟られまいと
むしろ無理して何事も無いかの様に振舞ったりします。
そしてますます心が疲れて行く訳です。
暴れたりしても本人に記憶が無かったり、病識(自覚)がない
場合もありますが、恐らくそのような人は
ここを読んでおられないかと思います。
検査で誤魔化し様の無い物なら客観的に診断も出来るかも知れませんが、
本人がどこまで話をするか、受けての方もどこまで理解出来るか、
初めてかかった時他人に全てをさらけ出し、診察の短い時間で
白黒つける事自体が無理な話です。
私の知り合いにも診断名がついた事で、まわりの接し方が変わり、
楽になったと治療(考える事)を放棄してしまった人もいますが、
それは環境がそのままでいつまでも変わらない訳ではないので、
その場しのぎで解決にはなりませんね。
少し厳しい言い方をすると、それは自分を甘やかし、
まわりに甘えているだけになります。
”鬱は甘え”と言われたりしますが、何でもかんでも同じ診断名で
ひとくくりに考えてそういった人達が目立つからでしょう。
発達障害と診断されて、自分の思考や行動原理がわかり対処法が
見つかった事で生きづらさが軽減したという話も聞いたりします。
では、うつ状態の人の思考の原理は健全と言われている人と
どう違うのでしょうか?
これは何もうつ病に限った事ではないですし、
健全な人でもある事ですが、程度の差という事になるでしょうか。
もう色々な所で見聞きして耳タコだと思われるかもしれませんが、
マイナス思考な時は大体こんな風になっています。

・悪い出来事の原因は自分のせいだと思っている
・人より自分は劣っている、劣っているので生きる価値がない
・人は自分の悪口を言ったり、噂をしているに違いない
・自分は精一杯努力しているのに、全ての事は失敗に終わる
・未来はこれからも悪いことばかり起こるに違いない
 過去に何度も予測した事が当たり、嫌な思いをしている

そんな事がぐるぐると頭の中を回り続けて、
夜も眠れなくなっていたりしませんか?
そしてそれを落ち着かせるために、成人だと飲酒に走ったり、
喫煙やギャンブル、一般的に依存症という物に流れて気を紛らわす・・・
なんて事になり、未成年だと最近は市販薬の過剰摂取やリストカット等
何かやはり依存的な物に流れて行ったりとなっている方も
おられるかもしれません。
これは実体験だけでなく、同じ心の悩みを抱える方から
聞いた体験談だったりしますが、大体共通している所は不眠から始まり
根本的な所は同じだと思いました。

悩む時は一人で悩んでおり、自分自身の視点しかありません。
自分の見えている物が世界の全てだと思ってしまいます。
でもその時は余裕が無いのでそんな風になっている自分に
気が付きません。
「そんな事無い」と人に言われても信じる事も出来ないでしょう。
いくつかマイナス思考の例を挙げましたが、これらをそうだと
言ったのは誰でしょうか?
実際に誰かに直接そう言われたのでしょうか?
何かに一時しのぎをする前に、落ち着いて考えてください。
これらを第三者から直接言われる事は殆ど無く、
例え悪口を言われたとしてもその人間だけでしょう。
大抵は自分の思考がそれらを作り出しています。
”そう自分が考えたから”の場合が多くないでしょうか?
ネガティブな思考に共通して言える事は
”視野が狭くなっている”という事です。
今、夜だとしたら反対側にある国は昼間です。
暗い影を落としている反対側から見れば、
光が当たっているから影ができるのです。
「こんな事を言われたらどうしよう」
「あんな事が起きたらどうしよう」
というのは自分が無意識に次から次へと考え出し、
それらを反芻(はんすう)してぐるぐるとしているのです。
そう考える癖が知らないうちについてしまっているのだと思います。
自分を苦しめているのは自分のマイナスの想像力です。


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