経営者に限らず事業を営むなら必読|書評:ストーリーとしての競争戦略
今年最初に読んだ本ですが、僕の中ではおそらく2020年に読んだ中でベストの1冊になるんじゃないかと思っています。
年始に一度読み切って、すぐにアウトプットを意識して2周目に入りました。同じ本を続けて読むことってほんと無いのですが、そのくらい良書だと思います。
そもそも初版が2010年の本。でもきっといつ読んでも役に立つと思うし、そもそもそれが、この本の内容を如実に表現しているでしょう。
ざっくりまとめると、
- 競争状態にあると利益が出ない
- 競争から抜け出すために戦略を使う
- 戦略とは「違いをつくってストーリーとしてつなげる」こと
- 強く、太く、長いストーリーが理想
- リーダーはそれを語ることが重要
といったところです。
「ビジネスモデル解説本」とは一線を画したこの本に、もっと早く出会いたかった。この本を読んで、企業のビジョンやミッション、バリューについての必要性を痛感しました。
あなたが事業を営む責任ある立場で、もし未読であれば、すぐに買って読むことをおすすめします。
まだ読んでないならすぐ読みましょう
本の中ではスタバ、アスクル、ガリバー、マブチモーター、サウスウエスト航空などを題材に、非常にわかりやすく「ストーリーとしての競争戦略」を解説してくれています。
コンセプトとクリティカルコアによって生み出される競争優位。そしてそれを構成する各要素と、それらをつなぐストーリーとしての一貫性。
僕もそうなんですけど、なんとなく事業をはじめて、そこそこ儲かってる。でもイマイチパッとしない、という状態、ありますよね。
この本に書いてあることを理解して実践できれば、おそらく次の段階に進めるんじゃないかと思います。
そのためには、まずは自分たちが何を持っているのか、棚卸しする必要があるでしょう。そのあとで本質的な価値を作り出すために、どこをどうすればいいのかを考えざるをえないと思います。
ぼんやりとでも思い描いている「他者との違い」をもっと明確にして、それが競争優位に貢献するかどうかを真剣に考えていくことが重要。ふわっとした議論ではなく理詰めで語ることができなければ、勝てたとしても偶然だし、きっとすぐにその差はなくなってしまうことが想定されます。
競争優位をつくるために
競争優位をつくるためには「違い」をつくって「つなげる」事が必要です。
会社が持っているいろんな要素を並べて、どこに行きたいかを定めて、そこにどうやってたどり着くかを考える。自分の強みをどこに置くのか。他者との違いは何か。その違いは持続性があるのか。真似されるのか。
本には、真似しようと思わない、もしくは真似されればされるほど差がつくものこそが、最高のストーリーだと書かれています。
それには「一見すれば非合理」が重要な要素であり、その非合理はストーリーの中に置くことで合理性を得るものであるとのこと。
もちろんそんなものは一朝一夕には思いつかないし、最初から設計済みでビジネスを始められるわけでもありません。
ただしそれは先見の明でも天才のひらめきでもなく、粘り強く悲観的に「なぜ」を繰り返していけば、いつかきっとたどり着けるようにも思います。
何で儲かってるのか、個別の要素で見るのではなく、「突き詰めていけばコレだ」というもの。それが、コンセプトであり、クリティカルコアです。
もう何度もいいますが、未読ならとにかく読んでほしいし、読んだ人と話したいです。飲みに行きましょう。
リーダーの重要な能力
そして最後に著者は、ストーリーをつくることも重要だけど、伝えることも同じくらい重要だと説きます。
みんなが共感できるストーリーをつくり、それを共有する。チーム全員が同じ方向を見れば、働く意識が変わりますよね。
先日もこんな記事を書きましたが、この本を読んでる途中のアウトプットでした。
僕はこの本に思いっきり影響を受けたというか、モヤモヤと考えていたことがめちゃくちゃスッキリしました。
とりあえず直近でやるべきこととして、この本に書いてあることをベースに一人で合宿しようと思っています。
やっぱ海辺の宿ですかね。
まとめ
僕が今まで読んだビジネス本のなかでも、ベストの一冊となりました。
ふわっとビジネスをしてしまっている人、利益が出ているけど伸び悩んでいる人、社員が定着しなくて悩んでいる人がいたら、ぜひ手にとってもらいたい。
僕はKindleで買いましたが、紙の本で書い直しました。
そしてもし読んだら、話したいです。アウトプットして理解を深めたい。
そのくらい、いい本だと思います。
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