ہیناکو سوزومینو

お天道様の下でそっと生きるノマドな原稿屋。 漫然とボヤきます。 好き勝手にボヤきます。…

ہیناکو سوزومینو

お天道様の下でそっと生きるノマドな原稿屋。 漫然とボヤきます。 好き勝手にボヤきます。 飲みに行けない憂さ晴らしでボヤきます。 酒場で呑兵衛の与太話を聞くのが好きです。

マガジン

  • あの人に届け!

    ブログが消えて連絡できなくなった、名も知らぬあの人。 語り合いたかったのに、消息不明になってしまったあの人。 そんな人たちが、ここを見つけてくれるかもしれないと願いつつ。

最近の記事

あの人に届け!④「あなたが都合よく使われる理由」~亡き恩人へ

今年になって人づてに訃報を知りました。 安倍晶子さんは、私が小説家デビューを目指して四苦八苦していた頃に紹介され、人生の恩人の一人となった方なのです。 安倍さんは当時、映画ノベライズの執筆者を探しておられました。 私を彼女に引き合わせてくださった某ラノベレーベルの編集長は、「なかなか新人賞が獲れない子だけど文章は書けるから」という形でご紹介なさったようです。 つまり私が初めて「仕事」として書いた本がこの映画ノベライズであり、初めて組んだ編集者が安倍さんだったというわけです。

    • 「そんなもの学んで何の役に立つの?」

      この本を読み、後悔と自己嫌悪で心が重苦しくなりました。 「それ、どこの外国語?」という言語の翻訳者さんたちのエッセイ集です。 日本でほとんど需要のない言語でありながら学び続け、日本に紹介したい物語を見つけて翻訳しておられるそうです。 「そんな国の物語だの伝説だの誰が読みたがる? どこに需要がある?」と言われるものであっても。 翻訳原稿を出版してもらえる見込みがなくても。 私も学生時代は、日本でほとんど需要のない言語を専攻していました。 一般的に知られていないものを学んでみ

      • あの人に届け!③言いたい放題の読者さんたちに潰された作家

        私が好きだった若い小説家さんが、またひとり筆を折りました。 あまり売れず、たまにネットに感想が出ても否定的な内容ばかり。 新作を書いてもまた叩かれるのではないか、自分は小説を書く資格が無いのではないかと不安に苛まれ、心のバランスを崩してしまった――。 人づてにそう聞きました。 ネットが一般化していない時代は、読者さんの感想は、出版社に送られてきたハガキや手紙でしか分からないものでした。 そして内容によっては出版社側がフィルタをかけました(作者には見せないということです)。

        • あの人に届け!② 無かったことにしたい過去。でも、あなたにだけは黒歴史と言ってほしくない。

          地元の文化界で重鎮と呼ばれる画家さんが、芸術褒章を受けたのを機に、 若い頃に出版した画集の回収を始めたそうです。 画壇から酷評され、個展を開いても閑古鳥……という頃に出した黒歴史的な画集なので、存在しなかったことにしたいのだとか。 その気持ち、すご~く分かります。 私にも、無かったことにしたい作品がいくつかあります。 まったく噛み合わない担当者さんと組むことになり、大揉めして空中分解してしまった作品とか。 「売れ線」の後追いをさせられただけの、今となっては登場人物名すら思

        あの人に届け!④「あなたが都合よく使われる理由」~亡き恩人へ

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        • あの人に届け!
          4本

        記事

          あの人に届け!①「あなたみたいな人が『本読み』だなんて厚かましい」

          SNSでの反響数、POSデータ、読書メーターのランキングと書評の数。小説本(特に新刊)の評価はこれで計られると言っても、極論ではないと思います。 版元の営業部が「これはイケる」と判断くだされば、訴求に力を入れてもらえます。訴求対象から除外されても、担当編集者さんが「この本は推したい!」と熱くなってくださる場合は、書評家さんや新聞雑誌やインフルエンサーなどに交渉していただけたりします。 ただ「書評をお願いします」と100ヶ所に献本しても反応ゼロだったり、僅かながら反応が得ら

          あの人に届け!①「あなたみたいな人が『本読み』だなんて厚かましい」

          「他人の悲しみ」を消費する人たち

          こういう時代だからでしょうか。涙活(るいかつ)が静かな再ブームを迎えているようです。 涙活。泣くことによって心をデトックスし、ストレス解消に繋げる活動です。玉葱を刻んで流れる涙では心のデトックスにならないので、泣けるドラマ(映画や小説など)を鑑賞する必要があります。 涙活が最初のブームを迎えた約10年前、各社が競うようにして「泣ける」系のキャッチコピーを付けていたのを覚えています。「一般受けしないので売るのが難しい」と版元さんを困らせることの多い拙著にも、同様のキャッチコ

          「他人の悲しみ」を消費する人たち

          こういう企画なら絶対にハズれない!?

          原稿執筆のお声かけをいただくと心が弾みます。 私は「書くものに一貫性がない」 「ジャンル分けしづらく読者ターゲットが絞りづらい」 「一般受けせず評価が極端に分かれやすいので売りづらい」 と敬遠されがちですので、なおさらです。 「ああ、色覚検査のあの数字が見える人がいらした」と嬉しくなります。 何年前でしょうか。お声がけをいただいたあの時も、私の心は弾みました。(※一部、内容を変更しています)。 「あなた、こういう雰囲気の物語を書いてみませんか?」 ひとけのない道を走る一

          こういう企画なら絶対にハズれない!?

          あなたの書くものには一貫性がない

          小説家と呼ばれる仕事を何年間か続けてきましたが、「あなたの書くものには一貫性がない」と言われます。「一貫性がないと読者ターゲットを絞れず、営業がかけられない」とお叱りを受けたことも、たびたびございます。 これまで私が書いてきた物語の内容は、例えば次のようなものです。 編集者さんや営業担当者さんは、需要のあるジャンル枠に組みこむべく知恵を絞ってくださいます。「これは『驚愕のラスト!』的なキャッチでミステリーとして出そう」「これはラノベ風の表紙にしてラノベ棚に置いてもらおう」―

          あなたの書くものには一貫性がない