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天使に粗相はできかねる

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2023年1月の記事一覧

天使に粗相はできかねる 第三話「柑橘のジャムと屋台の娘と」

「これがジャム。この街の名産で、他の街へも売りに行きます。」

少年がひとつ手に取ったジャムの瓶を、
少女はまじまじと見つめていた。
人目もあるため、おのずと敬語に切り替わる。
無理もない。
関心のないふりをして過ごしている大人達は、
好奇心から一挙一同を見ているのが痛いほど分かる。

穏やかな陽射しがさんさんと降り注ぎ、
果実を積んだ木箱とジャムの屋台を、
柔らかく陽の光が包んでいる。

「この

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天使に粗相はできかねる 第二話 「招かれざる客に捧ぐ生贄」

天使に粗相はできかねる 第二話 「招かれざる客に捧ぐ生贄」

とり残された少年に、天使を名乗る少女はにっこりと微笑みかけた。
「では、さっそくですが。案内してくださいますか?」
「天使様。
 お言葉を返すようで恐縮ですが、
 綺麗な服に着替えてから来ますので、
 ここで待っていてくださいますか?」
少年はたどたどしい敬語で天使に問うた。
少女はすこし年上くらいだろう。

「ついていきますよ。
 教会なのでしょう? ぜひ見てみたいわ」

少年が否を言える雰囲気

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天使に粗相はできかねる 第一話 「天使」

天使に粗相はできかねる 第一話 「天使」

-1-
「案内人が、ほしいのですが」

小さな村の祝祭日。
色とりどりの紙吹雪、藁を編んでつくった動物の像。
豪華ではないが知恵を絞った工芸品で村は彩られている。
子どもたちには動物を模した水笛、菓子が振る舞われて、
広場では有志の楽器隊が牧歌的な伴奏を奏でている。
子供たちの笑い声が街に花を添えていた。

しかし、それもさっきまでのことだ。
つい先ほどまで穏やかだった村の一角はぴたりと音を止め、

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