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臆病なナルシスト


正直に言おう。
私は自分の顔が好きだ。
自分のことをかわいいと思っている。

もちろん、小さな黒子やそばかすなどのコンプレックスはある。
芸能界で活躍するような女優やモデルみたいな顔でもない。
モテてきたか?と言われるとそうでもない。

それでも、私は自分の顔が好きだ。そして、かわいいと思う。
でも、自分がそう思っていることを周りに知られてはいけない。

今の日本が作り出した社会と文化の枠の中にきちんと立っていないと、「変わり者」認定されて、生きづらくなる気がするのである。

両親から、謙虚でいなさいと言われ続けてきた私である。
かわいいねと言われても、「いえいえ、そんな…!」と謙遜している。

「いいこ」で育った私がワルいことをしたときの記事はこちら↓

驕ってもいいのは家の中だけ。
親子だから思考回路が似ているのか、私の母も妹も、どうやら自分のことをかわいいと思っているみたいである。

意外にみんな自分のことをかわいい/かっこいいと思っているのではないか。
noteで検索すると、私たちと同じように考えている素敵な記事がたくさん出てきて、ほっこりすると同時に、ちょっと安心した。
自分の顔だけに限らず、自分のことが好きな人は多いみたいだ。


でも「かわいいね」と言われて、
「はい、そうなんです!私はかわいいです!」と
肯定の返事をできる人はどれくらいいるのだろうか。かっこいいねの場合も同様である。

私が知る中で、自分のかわいさ・かっこよさを認めている人は、道重さゆみさんや吉沢亮さんなどの芸能人しかいなかった。

友達や知り合いで該当する人がいたかどうか、頭の中でググってみたが、1人しかいない。
その人は酔った時に、「まあ、俺、顔がいいしな」とちょっと照れながら話す程度で、素面では絶対にそんなことは言わない。
酔った時だけ、しかも照れながら言うからこそ、「変わり者」認定はされていないのである。


海外では、かわいいねと言われたら、「ありがとう」と素直にお礼を言う。

でも、日本だとどうだろうか。

「ありがとう」と言えるのは、相手による気がする。
「ありがとう」と言うことで、「あ、この人自分がかわいいと思ってるんだ。否定はしないんだ。」と思う人が少なからずいる。

謙遜する(否定する)ことが当たり前になっていて、かわいいねと言った側も、謙遜(否定)の返事が返ってくることを期待しているのである。

でも、私は「かわいいね」もしくは「かっこいいね」と自分が言った時、「ありがとう」と返事をする人が好きだ。
「ありがとう」と言う人は、みんな笑顔なのである。
(真顔で「ありがとう」と言うこと自体が稀なのか…笑)


だから、私も「かわいいね」と言われたら、本当は素直に「ありがとう」と言いたい。
でも、まだまだ「変わり者」認定されるのが怖くて、人を選んで答えを変えている。

「ありがとう」と言うか、「いえ、そんなことはないです」と言うか。

臆病な私は、まだまだ謙遜し続けている。

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