Tatsuki

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大学で工学を勉強しています。工学関係の記事や、普段思いついたことを記事にしています。主に研究用・フィールドワーク用の国産観測ドローンを開発しています。

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  • 日記

    思いついたことを書き留める日記です。

  • 無人ヘリプロジェクト

    私が開発した無人ヘリのプロジェクトに関する記事です。 地球・惑星の観測システム開発から農業まで手広くやってます。

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最近の記事

無人ヘリ飛行日記2021.5.14

 今日も飛ばしてきました。今日の飛行場所は、いつもお世話になっている地元の農家です。ワイン用のブドウをつくる農家で、定期的に空撮・測量して水捌け具合や高低差のムラ、色合いなどを上空から観察しています。  今日は、突風が強く、体感で5~6m/sくらいあった気がします。上空では煽られまくって揺れてしまいあまり動画もちょっとぶれ気味でした。それに、上昇気流も強く、久々にセットリングウィズパワーに入り、パワーを入れても反応が鈍く、焦りましたが、ゆっくり前進させ、抜け出しました。上空

    • ドローンの開発(1)設計理論①

       私は、これまでヘリ型やマルチコプター など様々なドローンを設計・開発・運用してきました。そんな経験を踏まえ、どのように設計したらいいのか、製作方法は?操縦方法は?など、ドローンを作る上での疑問を解決するような記事にしたいと思います。ネットや本を探しても、設計理論からきちんと解説している記事はあまりないような気がしますので、誰かの参考になるように、また自分自身の勉強のために書き溜めたいと思います。 モーターの出力はどうやって決める? さて、一番迷うのが、ローターの大きさやモ

      • 誰のための研究開発?

         さてと。まあ2020年からいろいろと研究をしたりものを作ったりしているわけですが、ふと思うことがあります。「これは何の役に立つのだろう」と。 まあ、研究なんてそんなこと考えても仕方がないでわけです。最近は「無駄と思える研究にも多いに価値がある!」的な意見が多くなってきて大変良い風潮だと思います。しかし、実際には無駄と思える研究のほとんどが無駄に終わってしまうわけで、実際に活きる研究は5%くらいでしょうか?なので、「役に立つ研究を優先的に」という意見も理解できます。  最

        • ローバーの自律走行ソフトウェアをつくる①

           さてと。研究開発の一環で冒頭の写真のような4WDのローバーを作り、砂浜に持っていって実験してたのですが、このローバー、遠隔操作で人が操作しています。しかし、実験としては、イマイチ精度が怪しいため、自立走行にすることにしました。ちなみに、写真ではSLAMが載ってるのですが、ローバーの制御には関与しておらず、データを収集しているだけです。  ゆくゆくはjetsonなんかを載っけてカメラで判断しながら制御しようと思っているのですが、今回は時間がないので、手っ取り早くarduin

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        無人ヘリ飛行日記2021.5.14

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          痛ましい事故(静岡・ヘリ墜落)

          2020年年の瀬の12/30、島田市でヘリが墜落し、パイロット一人が亡くなりました。機体はロビンソンR66というヘリでガスタービン機です。このヘリの特徴は、2枚ローターのシーソーローターを採用していることでしょうか。 シーソーローターとは、二枚ローターのヘリによく見られる構造で、付け根がシーソーのようになっておりローターがフラッピング方向に自由に動くような構造になっています。これは、操舵した時のローターの傾きをシーソーで逃がし、ローターマストの応力を減らすためのものです。当

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          「火星探査UAV」の探査システムの研究開発報告

          さて、私が実験機材の無人ヘリの開発、製作、運用を担当している「火星探査UAV」の探査機器の開発に関する研究の2020年報告書です。この研究は、将来普及するであろう火星探査UAVに搭載する測量装置やローバーなどの研究開発を行うプロジェクトです。日本各地での実証実験の様子をぜひ!!

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          「火星探査UAV」の探査システムの研究開発報告

          2020年を振り返って

          あけましておめでとうございます。早いもので、つい一時間前に2021年となりました。今年は良い年になることを心から願っています。 さて、もう2021年になってしまったのですが、ここで2020年を振り返ってみようと思います。 2020年。いろいろなことがありました。とりあえず無人ヘリ関連のプロジェクトについて書いて行こうかなと。 まず1月。2019年に開発したヘリに新しいフライトコントローラーpixhawkを積むべく苦戦していました。 スロットルの設定方法がわからずロータ

          2020年を振り返って

          人生に行き詰まったと感じた時の思考

           突然ですが、この頃なんだか全てうまくいかない気がします。思い返せば、心臓病でもともと病弱だった私が、大学に入学したことで一人暮らしすることになり、自律神経失調症、腰の椎間板ヘルニア、胃腸炎は数え切れないほど....を経験しました。ヘルニアは完治しておらず痛い時は歩くだけで痛い時もあるほどです。そんなこんなで大学もあまり行かず....みたいな生活をしていた時もありました。そうなるともう全て悪循環な訳で、その悪循環が未だに尾を引います。  まあでも、世の中にはこれと比較になら

          人生に行き詰まったと感じた時の思考

          火星探査UAVを用いた探査の拡張及び効率化に関する研究

          1.概要 2.設定ミッション Ⅰ.ミッション内容 Ⅱ.サンプル採取について ①サンプルの重要性 ②ミッション達成に必要な技術 ③研究進捗  (ⅰ)使用機材について  (ⅱ)Visual SLAMについて (ⅲ)3D Mappingについて (ⅳ)サンプル採機構について 3.おわりに 1.概要  Mars 2020 では火星探査に Mars Helicopter (fig1)が使用される予定である。これを受け、将来的には火星において無人航空機(UAV)を主体とした探査

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          火星探査UAVを用いた探査の拡張及び効率化に関する研究

          実用的なUAVが作りたい3[Norde]

           本日、開発中の小型無人ヘリの屋外飛行試験を行なってきた。 搭載カメラ映像 今月末に山岳や海岸にて実証実験を行う予定だ。機体は手放しでホバリングできるほど安定した飛行が可能になったが、カメラを搭載するとややパワー不足を感じる。まだまだ改善しなければならない部分がありそうだ。

          実用的なUAVが作りたい3[Norde]

          実用的なUAVを作りたい2 [Norde]

           前回の記事 https://note.com/s1811172/n/n63f240341888 では、無人ヘリに関する研究とそのメリットについて少し説明した。今回は、試験用の機体がひとまず完成(?)したので、紹介しようと思う。 その前に、この機体を開発した目的を説明しようと思う。実は、2019年にドローンを用いてライフセービングや山岳地帯での運用などを目的としたプロジェクト「Norde」が立ち上がり、現在実証実験にむけて準備を進めている。そこで砂浜や山岳でも過酷な環境でも

          実用的なUAVを作りたい2 [Norde]

          実用的なUAVを作りたい1

           近年、ドローンと呼ばれるUAV(無人航空機)が普及し始めた。空撮や操縦技術を競い合う大会などが注目されている。注目されるようになってきたとはいえ、まだまだ趣味性の強い分野であり、特に、小型機に関しては残念ながら実用的といえるような製品は少ない。そこで本稿では、実用的なUAVとはどのようなものか、どのような性能が必要か、などについて考えてみる。 求められる性能 実用する上で重要になるのが、安全性とどんな環境でも設計通りの動作が保証されているということだ。では、安全性や過酷な

          実用的なUAVを作りたい1

          「日本嫌い」

          「日本を抜け出してよかった」「日本はもうダメだ」「諸外国に比べて日本は遅れている」「日本は終わっている」 普段の会話、SNSなどで上記のような意見を聞くことが増えてきた。日本の労働環境、政治、教育、法律などを他国と比べては、悪点を見つけて批判する人も多く見受けられる。実は、私自身も、日本と他国を比べては日本の悪いところばかり着目し、批判していたこともあった。しかし、日本で生活してる体感として、「言われているほどなのか」と疑問をもつようになり、改めて考えてみることにした。

          「日本嫌い」

          操るということ

           操ると聞くと何を思い浮かべるだろうか。操り人形、人を操る、自由自在に操る、いろいろな操るがある。今回は、その中でも「機械を操る」ということについて考えたい。もちろん、この中には車の運転など身近なものも含む。 「操るとは何か」  何でも自分の思った通りに操れると気持ちがいい。そして、乗り物がユーザーの意志通りに操れることは安全性向上にもつながり、軍用装備が兵士の意志通りに操れることで勝率が向上する、ロボットを自在に操れれば利便性が向上する。 そもそも操るとはどういうこと

          操るということ

          自動車の作り方1

           自動車が、どのような設計思想のもと作られているか考えたことがあるだろうか。安全性はもちろん、ドライバーの意思をどのように実現するかや、快適なエンジンサウンドまで求めているメーカーも存在する。自動車の技術が日進月歩で発展していく中、連日のように悲惨な事故が報道されている。そこで今回、自動車の安全性とテクノロジーについて僕なりに考えてみた。 「自動運転にすれば事故は減る」 よくこのような主張をする人がいる。本当にそうだろうか。システムとして完成された自動運転車だけになれば、

          自動車の作り方1