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ゆたかさ

ありきたりなことを言うが、やはり真の「ゆたかさ」と言えば「精神的なゆたかさ」だろう。資本主義社会では金銭さえ差し出せば私たちはさまざまなものを手に入れることができるが、精神的なゆたかさだけは物質的なものでは満たしにくい、と思う。もちろん物質を手に入れることで満たされる部分もあるだろうが、物質的な欲望は次から次へと湧いて際限がない。

私が最も精神的なゆたかさを感じるときは趣味に耽っているときだ。私の趣味は水煙草で、水煙草は一度吸い始めるとサイズにもよるが1時間半〜2時間ほど吸うことができる。そのおよそ2時間座って読書をしたり友人と話をしたりしている時間はとても流れがゆるやかで心地よい。味が好みや気分に合わせて選べるのもいい。

「水煙草は普通の煙草に比べて害はあるのか」という質問を稀にされることがある。調べた限りだが、これに関しては両論あるようだ。

「害がある」理由としては、水煙草の吸える時間の長さが挙げられる。紙巻を吸うのに1本5分かかるとして120分吸える水煙草は単純計算で24本分だ。長い分身体に悪い、ということだ。

「害がない」理由としては、水煙草で吸っているものはシロップ漬けの葉を熱して出た煙で、水というフィルターを通すことでタール値が限りなく低くなるため紙巻よりは害がない、ということだ。どちらも一理あるような気がする。

数はあまり多くないようだが、水煙草用の葉にはニコチンフリーのものもいくつかある。これをつかえば、さらに身体の負担は減らせるかもしれない。

水煙草においてはニコチンやタールの害より酸欠に注意した方がいいと私は思う。ずっと炭を燃やしているのと吸って吐くのを繰り返すことで空気がうすくなり、頭がふわっとしたり気分が悪くなったりすることがある。前日の寝不足は大敵だ。

体調不良に気をつけながらではあるが、自分好みに立ち上がる煙を燻らすのは非常に気分がいい。味が少しずつ変わってくるところも楽しい。

はやく店舗に行けるようになるといいな。あの時間が得難いものであったと行けないようになってはじめて気がついた。趣味を楽しめる時間や環境は間違いなく「ゆたか」だ。


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