32回:私たちは2000年代に10代を送った

ミレニアルとゆとりの日常

《Lady Bird》という作品を昨日観てきた。2000年代のカリフォルニア州サクラメントを舞台にした青春映画。ちょうど日本でも公開が始まったみたいなので詳細は伏せますがオススメです。

 自分は2000年代の空気感みたいなもの、それを醸し出すディテールにヤラれてしまいました。監督のGreta Gerwigも34歳なので、単純に各所でセレクトされた音楽や小道具や言い回しが世代的に合致していたし、それに加えて自分が見ていた日常はこうだったと思わせる何かがあった。

 とにかく観終わった後になぜだか無性に嬉しくなって、遂に自分たち世代の表象が自分たちの手によって始まった!などとレンタサイクルを漕ぎながらガッツポーズをしていました。

↓ 某シーンでこれが掛かっていた時は心の中で「やったー」を叫んだ

10代の頃、何聴いてた?

 中学、高校とゲオでCDを借りて来てはLP設定にしたMDに録音していた。ipodはワールドビジネスサテライトかなんかで紹介されてるのを見たことがあるぐらいで、周りでは全く普及していなかった。当時、自分のヘビーローテションは数枚あった。

1.《グラミー・ノミニーズ2004》
 グラミー賞のノミネート楽曲を収録する年度ごとのベスト盤。その中でも2004は出色の出来。ビヨンセのCrazy In Loveではじまりブラック・アイド・ピーズ、コールドプレイと続く。エヴァネッセンスがエミネムとアウトキャストに挟まれてたり、その後にアヴリル・ラヴィーンが来たりどん亭スペシャルみたいな凄みがある。

2.《君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命》銀杏BOYZ
 もはや何も言うまい。言わずとも痛いほどわかってくれるはずだ。1987年生まれはよりによって中学2年の時に《さくらの唄》がリリースされたのだ。BABY BABYや銀河鉄道の夜は諳んじられるように出来ているのだ。

3.《Funk Odyssey》Jamiroquai
 《Traveling without moving》はVirtual Insanityも収録されてるしジャケットもおしゃれだし確かに名盤だけど、私はLittle LをLove Foolosophyを、そしてDeeper Undergroundを聴いた日々を忘れはしない。おまけのステッカーはまだとってある。

 いや、本当に挙げればキリがない。これに観ていたTV番組、例えばケイゾクとか木更津キャッツアイとか足していけば幾らでも思い出が語られる。一つ上の世代が未だにエヴァンゲリオンを語るみたいにきっとずっと自分の青春を神話にしていくに違いない。2020年代はそういう表象に彩られた作品が世界中で多発するに違いない。アニメ版ポケモンとか同年代であれば国籍民族問わずみんな観てたからな。

 映画の余韻が収まったら、また愛すべき10代を振り返ろう。

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