懐@natsuki

あの日止まったままの時計の針が もう一度動き出した 描いた夢の続きを叶えるために 新し…

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あの日止まったままの時計の針が もう一度動き出した 描いた夢の続きを叶えるために 新しいページをめくり……僕は刻む

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aurora(3/3)

3 時は経つ。雪で見えなかった地面が少しずつその姿を現す。 もう会えない。あの日使ったギターはあの場に置いたまま。近づくことも出来ずにいた。もし彼が倒れていたらと…

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5年前

aurora(2/3)

2 次の日も次の日も。ふらりとどこからか現れ。他愛もない話を一方的にしたかと思うと、俺が口を開けば静かに聞き、時に笑う狼の姿の悪魔に、彼の言った、仲間というもの…

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5年前
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aurora(1/3)

1 雪のちらつく、雪深い山。森の中。 俺は狼族の狼だ。 いつも群れと少し離れた場所に一匹でいる。 慣れたかと言われたらよく分からない。 灰色の世界、自分ひとり青い毛…

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5年前
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夕暮れ時

夕暮れ時。 線路沿いの道。 カタンコトンと電車は走る。 風に乗って遠くで聞こえた。 寒いねと何気ない会話にも 返せない程溢れそうな言葉 聞こえてしまいそうな心音 そ…

懐@natsuki
6年前
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aurora(3/3)

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時は経つ。雪で見えなかった地面が少しずつその姿を現す。
もう会えない。あの日使ったギターはあの場に置いたまま。近づくことも出来ずにいた。もし彼が倒れていたらと思うと足が竦んだ。
きっと生きていても、もう嫌われてしまった。もうここにも現れることはないだろう。幻のようなものだったんだと言い聞かせる。あの時間は帰ってこない。

心に住み着いた彼を思う。何度も何度も繰り返す。考えることすら嫌になる。

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aurora(2/3)

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次の日も次の日も。ふらりとどこからか現れ。他愛もない話を一方的にしたかと思うと、俺が口を開けば静かに聞き、時に笑う狼の姿の悪魔に、彼の言った、仲間というものを、どこかで意識し始める。俺はいつの間にかこの悪魔に取り憑かれたようだ。

なかま。なら。見せてもいいのかな。

唯一できる特技は、ギターを弾き。歌を歌うこと。初めてできた仲間に。勇気を出して聞かせてみせると決めた夜。またいつも通りふらり

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aurora(1/3)

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雪のちらつく、雪深い山。森の中。

俺は狼族の狼だ。
いつも群れと少し離れた場所に一匹でいる。
慣れたかと言われたらよく分からない。
灰色の世界、自分ひとり青い毛並みで産まれてきた俺は群れでは、受け付けられず。親にすら見捨てられた……んだと思う。
幼い頃からずっと群れから離れて生きてきた。だからなんとも思わない。これが俺の普通。これが俺の毎日。

そんな毎日は良くも悪くも今日で終わってしまっ

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夕暮れ時

夕暮れ時。
線路沿いの道。
カタンコトンと電車は走る。
風に乗って遠くで聞こえた。

寒いねと何気ない会話にも
返せない程溢れそうな言葉
聞こえてしまいそうな心音

そんな時は
立ち止まって距離を置く

かじかむ指をポケットに入れると
かちゃりと小銭とジッポが当たる
また一呼吸。
紫煙が後ろへ後ろへとゆっくり流れる

抑えなきゃ
わかってるだろう
自分のキモチに蓋をする

決して向けてはいけない

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