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Make my choice muddy(選択を濁して)


「浮気をしました」


正座をした男が口を開く。そういえば昨日の昼からおかしかった。いつもなら「おはようからおやすみ」までやり取りするのに。

「誰と?」

他に言葉が出てこない。

ーーだって来月入籍するって話してたよね、なんで今?結婚式どうするの?
思うばかりで少しも言葉にできない。

「‥‥‥わたしが、私が、早く結婚したいって言ったの、そんなに重荷だった?」

「そんなことない!」彼が言う。

ーーじゃあどうして?


25歳までに結婚しなくちゃ。そんな風に焦り始めたのは就職してしばらくしてからだった。今思えばしたい事がない代わりに結婚したかっただけなのかもしれない。


ーー私は浩孝の何を見ていたんだろう。


私のことが大好きなのは分かっていた。だけど、他に可愛いなと思う子が居るのも何となく気づいてた。

別に馬鹿正直に話してくれなくても良かった、上手に隠してくれるなら私だって騙されたのに。


ーーここで許したら願いは叶うのに。


この先一緒にいることを考えてみる。「結婚しなきゃ良かった」いつかそう口にする自分が思い浮かんで、泣きたくなった。


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