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RZP Book Talk Vol.3 『利己的な遺伝子』リチャード・ドーキンズ 著 | 紀伊國屋書店 刊

自分の存在理由を話せるか?

スマホ、これがあれば今や一瞬で答えを検索できます。しかし最近の研究調査では、私たちの考える力は年々鈍っているそうです。技術は日々発展しますが、私達自身は進歩しているのでしょうか?私達はこれでいいのか?どう生きるべきか?そんなオーダーメイドの答えはスマホでは見つかりません。人類の進歩と個人の生き方について、独立法人Alive代表の庄司さんは、本書を推薦し次のように話してくれました。

●変化の時代には、努力は陳腐化する

-私は初期の就職氷河期世代です。父は高度成長期によくいたプチ成功した野心家で、私は努力・競争・出世という単純な人生観に適応し、父や社会の期待に応えた子どもでした。しかしバブル崩壊で日本社会の高度成長モデルは不適応を起こします。大学生の私も「どこに向かって努力すればいいんだ?何のために生きているのか?」と悩みました。哲学書を読み、知人と議論する中で本書に出会いました。

生物は遺伝子の乗物だとする前提に、始めは驚いたのですが、読み進めると、生きることの本質を突く内容だと理解できました。『文化は遺伝子のように自己複製し、変化し、また伝わる。人間はミーム(文化遺伝子)の乗物であり、それを残すために生かされている』という主張に得心しました。それ以来「自分が良いと思ったことを他の人に伝えること」こそが、人間が言葉を使い社会を作る理由、人間を生物以上の存在にする条件、そして自分の存在意義であり、ミームを伝えることなのだ、と見失うことなく生きてこれています-

なぜ、人間だけが「人生の意味」を考えるのか?

生まれて生きて死ぬ、言ってしまえばそれが一生であり、適者生存が世の理です。しかし青臭いようですが人生は意味だと思います。人間は生物的進化ではなく、世代を跨ぐ社会的・文化的進化で外敵や環境を克服してきました。そして私達が世代を超える進化を続けるためには、自らの存在理由を問い、自らの生を超えて次世代に繋がる命の使い道を見つける、そんな取替の利かない答えを探すという哲学的で手間のかかる営みが不可欠です。

ダーウィンの『種の起源』が100年前の人を揺るがしたように、本書は人間が遺伝子の乗物以上の存在となるための「現代の進化論」を説き、40年前の出版以来、物議を醸しつつ多くの思想家、クリエイターに影響を与え続けてきたエポックメイキングな一冊です。人生や仕事の意味、そんな問いを持つ人は一読してみてください。

↓↓↓Book Talkに関心のある方はこちらからグループ参加できます。聞き専も歓迎↓↓↓

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【↓↓↓今回のスピーカー庄司 弥寿彦さんの活動↓↓↓】

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