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【代表のつぶやき】今更deepな自分語り その五

やっと、いよいよ、大学生編。そろそろ佳境へ、そして製作中の本へと繋がっていきます。中にはヒップホップの話も……!高校編と違い明るさの増した(?)文体もお楽しみください。
しつこいようですが、読みやすいように、小間使い二人で太字・改行・註を入れています。それでは、どうぞ。


さてさて、早稲田に受かった俺はコロナ禍により全てオンライン授業という反応に困る大学生活がスタートしたわけですが、暫く「終の一語」の存在を忘れていました。小説は書いていたんですが、高校時代の記憶を消去しすぎてついでに「終の一語」も忘れていたようです(嫌な記憶は忘れても構わないのですが、高校時代に読んだ本の中身がごっそり抜け落ちるのはマジでやめて欲しい)。

大学上がってからは、さぞかし本三昧な日々を送っていたのかと思いきや、もっぱらヒップホップに染まっていました。これは最初の方で出てきた大切な人の影響ですね。厳密には高3の終わりから聴いていました。ちなみに俺はNORIKIYOさんが特に好きです。そしてこのヒップホップ、そしてレゲエも、俺の生き方に関わってきます。もういっそのこと全て暴露してしまいましょう。

▶ヒップホップ&レゲエ編


・NORIKIYO「俺達の唄 feat.MACCHO」「ロンリーロンリーロンリー feat.SAY」「春風 feat.OMSB」「枯れない花束」(いや、書ききれないから、全部好きです)
・BRON-K「何ひとつうしなわず」(BRON-Kも大好きです。いやもうリリックがいいんですよ……)
・般若「ジレンマ feat.MACCHO」「生きる」(思った。MACCHOも好きですね)
・志人・スガダイロー「ニルヴァーナ‐涅槃寂静‐」(これは食らいましたね)
・ZONE THE DARKNESS「Butterfly‘s Faction」「雨、花、絵描き。」(darknessの時代も好きでした)
・CHEON「CHALLENGER」「真向勝負」(迷った時はCHEONをかけて突き進みます)
・Mighty Crown「TRUST YOURSELF feat.MACCHO, Rudebwoy Face」(これも迷った時に聴きます)

俺はヒップホップも文学だと思っています。もしくは剥き出しの文学と言うべきか。俺は、ヒップホップに出会ってしまったから、レゲエにも出会ってしまったから、半端な事は書けないんです。彼らの言葉に押し負けるような軟弱な言葉では駄目だと思っています。

「圧倒的神奈川」と代表が言っていました。代表は相模原という地名を聞くだけでテンションが上がるそうです。
(と、キャプションに困っていたら代表自らが書いてくれました)


小説に話を戻しますね。
じゃあ一体いつ「終の一語」は記憶に蘇るのかと言うと、大学1年生の秋です。またしても秋! 「くれあき」(本をお手元にご用意いただいたら誰のことだか分かります)の「あき」はここから来ています。というのは嘘で、偶然の一致です。さらに目指すは次の秋文フリ! 秋に縁の深い小説のようです。

記憶がよみがえった発端は、近代文学の授業でした。作家の直筆原稿を読みながら作品について考えてみるという授業だったのですが、そこで俺は名のある詩人の自作詩集というものを初めて見ます。石川啄木の『呼子と口笛』、そして立原道造の『散歩詩集』でした。あれあれあれ? 俺もなんかやってたぞ。昔、Cに誕生日プレゼントでもらったノートに手書きで詩集を編んでいたなぁ……。しかもフォントを自分で作りたいとか思って書いてたなぁ……。あれあれあれ? そもそも、俺もっと面白いことをやろうとしていたような……。

そうです、「終の一語」です。

俺はまるで啓示を受かたかのように、急いで某印用品に文庫ノートを買いに出かけました。今度こそ、本を完成させよう。そう決意して構想メモをさらに下書き段階に仕上げながら、俺は新しい文庫ノートに小説を清書していきました。

製本され、表紙のみになってしまった残骸。

単純に作家になりたいという欲から、作家になって何をしたいかをはっきり意識した瞬間だったように思います。全編手書きの小説があったら面白いんじゃないか。××××××××××××××××××××××××××××(めちゃくちゃネタバレしていました。伏せ字にします)。飾り文字を書こう。挿絵を入れよう。etc.

しかし、小説を書くという事は楽しくもあり苦しくもあります。相も変わらず新人賞では予選落ち。何をどうしたら受かるんじゃと時に荒れ、自分の小説面白くないもんなと時にへこみ、小説を書き終わってはしばらく寝込み、それでも書かずにはいられずに書き続けていました。「終の一語」も、文字で遊んでいる時は楽しいですが、内容は楽しくない。むしろつらいばっかりです。書き取る側としては。それでも、これを書ききることに何か意味があるような気がしてずっと書き続けていました。

もういいですよね、結論を言います。
「終の一語」を書き続けたことは今に帰着します。ようやく現在に辿り着きましたが、ごめんなさい時を少し戻します。昨年度の話です。

すでにAが記事にしてくれましたが、俺は本の装丁もされているグラフィックデザイナーの先生に出会います。ややこしくなるので、ここでは装丁家先生とさせていただきます。その先生の授業で、並製本を上製本にする方法を学びました。俺は、「終の一語」が頭から離れません。「終の一語」をあのぺらぺらのやすっちい表紙じゃなくて、ちゃんとした表紙にすることができる! 俺は何としても完成を急がねばならないと思いました。さらにさらに、大学も一時停止していた対面授業を再開させ、批評家先生に出会った時と同じことが起こります。憧れていた人が目の前にいる……! たぶんこの記事を目にするだろう先生、温かい目で読んでやってください。何にせよ恥ずかしい事には変わりはありませんが。

編集註)こちらの記事です。生徒の意見にも、しっかりと耳を傾けてくださるとても良い先生です。

まあ、大学の授業なわけですから、成績云々問題があるわけです。大抵は試験かレポートが課されます。この授業はレポートでした。一冊の本を選んで、その本を自分だったらどのように装丁するかを計画した「造本プラン」の提出が求められたのです。俺は、もう「終の一語」しかないと思いました。先生に相談したところ、架空の小説でもオッケーという事だったので、「終の一語」でいこうと決めました。授業後には毎時間毎時間、先生とそれからもう一人の大学の友人とで本の話をしていました。授業で紹介された本についてや、俺が早稲田文芸会で小説を書いていること、中学からの友人2人(AとC)も早稲田にいる事など……。例えばの話、全編手書きの小説を出そうと思ったらどうしたらいいんでしょうか?など、「終の一語」のための質問もしたりしました。先生、お忙しい中お付き合いくださりありがとうございました。

実は、あの時俺は生きていてよかったなと本当に思っていました。ちょうど11月の終わり頃にぼっきり心が折られたんですが、先生の授業があったことで首の皮一枚で何とか生き残りました。その時はまだオンラインでしたが、ちょうど土曜日のことだったので本当に救いでした。むしろあの日は泣きながら授業を受けていたので、オンラインで良かった。
本当に冗談でも何でもなく、VIVA文構です。文構でなければ受けられない授業だったので。

「造本プラン」に話を戻しましょう。いくら「造本プラン」とは言え、レポートです。レポートのはずだったんですが、持ち前の人の話を聞きかない悪癖を発動させ、俺はレポートという名の怪文書と上製本に仕立てた「終の一語」を先生に提出します。AとCが先生の懐の深さに感嘆していました。それくらい破綻したレポートだったのです。しかし、レポートとして盛り込まなければいけない要件はきちんと書いていました。どちらに転ぶか分からない成績評価にびくびくしながら、春休みの前半を過ごします。なんせ深夜テンションのまま書き上げ、深夜テンションのまま昼間からの授業に行っていたのですから。その時は深夜テンション特有の達成感に満ち溢れていましたが、日が経つごとにどんどん不安が大きく膨らんでいきました。
待ちに待った成績発表の話は大して面白くもなんともないので簡単に。最高評価を頂きました。皆さん、先生の懐の深さを感じてください。頑張ったら、ちゃんと評価してもらえます。

こちらがそのレポートの表紙です。10000円以上のプランにはこちらの造本プランも。中身はぶっちゃけ、カオスです。

ひとまず、ここまで。
今回のヘッダーは、1年遅れの入学式のときの写真です。あのときは雲ひとつ無い快晴でした。

早稲田に限らず、とは思いますが。どこの先生も、興味を持ってたくさん質問すると、厳しい顔から笑顔が溢れてたくさん返してくださいます。それがめちゃくちゃに楽しいです。

小間使いA

2022/06/09 22:11、画像の修正を行いました。


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