(北海道十勝の農家6代目による週次の読書メモ)
日本における昭和の伝説的な経営コンサルタント、一倉定さん。彼の核心がこの一冊の中に。
一倉定。かつて”日本のドラッカー”とも呼ばれ、多くの経営者が師事した人物。その支援した数は1万社以上にも。中小企業のみならず、ユニ・チャーム創業者の高原慶一朗さんや、ドトールコーヒー創業者の鳥羽博道さんなど、錚々たる経営者が門下生に連ねます。
その一倉定さんの経営哲学の重要な柱が「環境整備」。本書はその「環境整備」を、(日本初)詳しく解説した一冊となります。
「環境整備こそ、すべての活動の原点」。
「環境整備のないところ、会社の発展はない」。
環境整備とは、トヨタがいう5Sとほぼ近い概念になります。しかしながら、一倉定さんは、環境整備の価値は、生産性の向上に留まりません。環境整備をしていくことで、その後の発展に基盤が生まれると強調します。
集中、そして、信用。どちらも企業発展には不可欠です。その2つが育つ土壌が、環境整備を倦まず弛まず続ける場から生まれると強調します。
思わず唸る内容…逆を返せば、環境整備がなされていない場では、人の集中力・気力は削がれ、信用さを損なう原因が生まれることを暗示しています。
ファーストリテイリングの柳井正さんの著書でオススメしていた一冊、『一倉定の経営哲学』の中に下の言葉がありました。
振り返れば家業に戻り2年目の年、膨大な問題に呑まれ溺れていました。限られた資源の中、リソースの投下場所を悩んでいた時、5S・環境整備に賭けようと自分の道筋を決めたのはこの2節があったからでした。
正直言うと、当時はその価値の深さは分からず。それでもその言葉に賭け、地味で地道で、泥の中を掻き分けるようなカイゼンの日々。決して即効性も、周りの理解もなく。けれど、その後数百回を越えるカイゼンをした先、今に至る結果を鑑みても、その年の意思決定で最良ものでした。
さらに一倉定さんは、環境整備を続けることで、「読心力」「プレゼン力」「直感力」「先見性(未来予測能力)」「発想力」「心をコントロールする力」をさらに高めることができるとも言います(若干論理が飛躍しているようにも思える内容ですが、詳しくは本書の中に)。
上記の通り、その後の発展基盤になりうる行動「環境整備」。一倉定さんだけでなく、世界における経営の神様P・F・ドラッカーさんも下のように言ったそうです。
リーダーの基準、善意、能力すら示すと。
環境整備をしたからといって、必ずしも偉大な企業になるとは言えません。しかしながら、偉大な企業は、すべからず環境整備が徹底していることも、また事実です。
「環境整備こそ、すべての活動の原点」。この言葉を、これからも自分の胸、組織の核に刻んでいきたい。
P.S.
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