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週末読書メモ5. 『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー2021年4月号 イノベーションの法則』

(北海道十勝の農家6代目による週次の読書メモ)

非連続的な成長に不可欠なイノベーションの特集であったこと、柳井正さんの最新インタビューが載っていたことに惹かれ、手にとった一冊。

HBSは久しぶりに読んだのですが、思わず膝を打つ内容ばかりでした…


今月号のメイン特集である「イノベーションの法則」では、経営者・経営学者5名の方のインタビュー・論考が掲載されています。

目を開くような箇所が節々にあったのですが、特に印象的だったのは、"イノベーションの始まりは、未来と現実の直視から"という旨の内容です。


ファーストリテイリングの柳井正さん、元ネスレの高岡浩三さんという経営者のお2人のインタビューでは、イノベーションに必要なのは、未来を作ろうという信念・オーナーシップがあること、そして、顧客(現実)と真正面から向き合うこと、と強調されています。

また、法政大学の永山晋さんのインタビューでは、「アウトプット」は「インプット」が元になるのではなく、「概念」からなることが述べられています。ここでいう概念は、当人の意思や信念からなるものと考えられ、柳井さんや高岡さんが話す内容と通じています。


別の方の記事として、数年前、五常・アンド・カンパニーの慎泰俊さんによって「課題解決の全体像」を整理されたものがあります(壁にぶち当たる度に見返すと、解決の糸口に繋がるヒントが得られる素晴らしい内容です)。

この課題解決の全体像でも、一番最初にあるのは「あるべき状態が思い描けていること」となっています。

必要なものに挙げられている「高い志」・「信念」が重要であるのと同様に、個人的には「体験の幅広さ」が肝だと感じています。意思や信念の方向性・大きさは、知覚した情報の量と質の影響を受けるに違いありません。


未来と現実の両方を直視する重要性は理解した上で、いかにその両方を視れるようにしていくか。

『情報敗戦 ー 太平洋戦史に見る組織と情報戦略』でも強調されていましたが、兵站だけではなく、情報を抜きに良い戦略は成り立ちません。

地方・農業という世界に身を置きながらも、いかにインプットする情報の量と質を高めていくかに、この数年は向き合っていく必要がありそうです。


【本の抜粋】
消費者と正面から向き合い、自分たちがどのような商品やサービスをつくるとより豊かな社会を実現できるのかを想像し、そのうえで有効な技術があれば取り入れる。イノベーションとは、そのような想像力と意思を持つ人たちの力で生まれるものだと思います。

経営者は、会社が将来どうありたいかということと、現実の事業をどう回してしくかということ、どちらか一方ではなく両方を考えなければなりません。

組織の末端にいる人たちまでが共通のDNAを持ち、役職に関係なく対等なパートナーシップを築いて仕事をする集団になるためには、経営者が多様な考え方に触れ、そこから得た発見を社員に伝え続けることが重要です。

目で見て何かを知覚する際、驚くべきことに人は網膜から得た視覚情報をわずか4%しか用いていない。我々の直感を欺くがごとく、人は五感から得られる情報にあまり頼っていないのである。

人の知覚プロセスの本質は「概念による現実世界の予測」であり、「概念(予測) ー インプット ー プロセス ー アウトプット」の順に行われる。

私はビジネスにおける変化とは、「新しい現実」によって顧客の問題が変わることだととらえています。現実が変われば、顧客の問題も変わります。顧客の問題を発見するためにはまず、「新しい現実」を正しく理解できなければなりません。

新しい現実を(New Reality)」をとらえて、顧客が気づいていない、あるいは諦めている問題(Problem)を発見し、そこから解決策(Solution)を考える。

P.S.
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