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アクセシビリティを勉強する(1)

こんにちは、matsukoです。
普段はWeb界隈のデザイナーやってます。一児の母です。

最近社内でアクセシビリティについて話す機会がありました。
恥ずかしながら、今までコントラスト比程度で学習していなかったので、これを機会に少し知識を深めようと思います。

初回は、言葉の意味・似ているワードとの違いについてまとめます。

アクセシビリティ(Accessibility)とは

国際規格であるISO 9241-20は、「幅広い機能を持つ人々に対する製品、サービス、環境、または施設のユーザビリティ」と定義しています。

これだけだと「ほーん」という感じなので、
聞き慣れた「ユーザビリティ」という言葉を中心にもう少し掘り下げます。

国際規格であるISO 9241-11は、ユーザビリティとは「特定の目的を達成するために、特定の利用者が特定の利用状況で、有効性、効率性、そして満足とともにある製品を利用することができる度合い」と定義しています。

それらを踏まえてウェブサービスのアクセシビリティを考えると

- 高齢者や障害など様々な特性を持つユーザーたちがいる
- あらゆる状況下で、特定の目的を達成しようとウェブサービスを利用する
- サービスを使うにあたって、目的を達成でき、それらが効率的にでき、満足できるかの度合い

噛み砕くとこんな感じでしょうか?
「使う人」にフォーカスしているユーザビリティであると言えそうです。

サービスによってニーズや対象者があるけど、
全てのユーザーが同様に使えるウェブサービスを作っていこうよってことですね。

アクセシビリティは「情報にアクセスできるか・使えるか」、ユーザビリティは「使いやすいか」といった意味で使用されることが多いように思いますが、
ISOとしては「どんな人も同じように使えるようにしよう」という考えのもと定義されていると解釈しました。

ユーザビリティ?ユニバーサルデザイン?インクルーシブデザイン?

ユーザビリティの意味は前述のとおり。

少し脱線すると、ニールセン博士が定義しているユーザビリティは、マイナスではない「使える状態」であるとしており、ISOと比べると領域が狭いです。
言葉の定義って混乱しますね。英語だから訳し方ちがうし。
(博士が言うユーティリティがISOのユーザビリティの定義と近い気がします)


次に、ユニバーサルデザインはどうでしょう。

ユニバーサルデザインは、アメリカのロナルド・メイスによって提唱され、「年齢や能力・状況などにかかわらず、できるだけ多くの人が利用可能にすること」を基本コンセプトとしています。

1. Equitable use(公平な利用)
2. Flexibility in use(利用における柔軟性)
3. Simple and intuitive(単純で直感的な利用)
4. Perceptible information(認知できる情報)
5. Tolerance for error(うっかりミスの許容)
6. Low physical effort(少ない身体的な努力)
7. Size and space for approach and use(接近や利用のためのサイズと空間)

ユニバーサルデザインはこれら7原則で構成されており、アクセシビリティと考え方は似ているようです。
異なるのは、やや具体的なところでしょうか。(とは言ってもだいぶ広い事柄を指しますが)


最後に、インクルーシブデザインです。

ユニバーサルデザインとの違いがわからず、同じなのか?どうなんだ?と思いながら調べていると、非常にわかりやすいnoteに出会いました。

ユニバーサルデザインは、原則に則り多くの人が「使える」ものを作ることで社会から排除される人々をなくそうとするデザインアプローチ。公共性が高い場所など多くの人が使えるようにしなければならない条件のもと多用される。
インクルーシブデザインは、排除されつつある個人のニーズや価値観を深く理解したうえで、「使いたい」と思わせるものを作ることで社会に取り込もうとするデザインアプローチ。特定の問題や状況の改善を起点とし、より大きな問題を解決しようとするプロジェクトにて多用される。

「使える」と「使いたい」だと意味合いがだいぶ異なりますね。

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本日はここまで。
次は、アクセシビリティを向上するポイントや事例を深掘りたいと思います。