【2025年問題とは?】
2025年問題とは何でしょうか?
2025年には、「団塊の世代」が約2,200万人を超えると予想されており、国民の4人に1人が75歳以上という、超高齢化社会に突入し、医療や介護などの社会保障費が増大し、ますます現役世代の負担が重くなることが懸念される問題です。
では、具体的にどういうことが起こるのでしょうか?
【1】社会保障費
日本の年金システムは、働く現役世代が納めたお金を高齢者へ年金として給付する方式が採用されています。このまま少子高齢化が進めば、働いて保険料を納める人が少なくなるが、年金を受給する人が増大しますので、日本の年金システムは破たんする可能性があります。
2025年までに年金自体がなくなっているとは考えにくいですが、年金支給年齢の引き上げと支給額の減少は間違いなく避けられないでしょう。
そして、この悪条件のもと保険料を納め続けていかなければならず、還元されるべき社会保障費も貧弱なものになるという、まさに負のスパイラルです。特にこれからシニア世代に入る人たちは、定年退職してやっと年金暮らしができると思った矢先、このような仕打ちが待っていることになり、そのショックは大きいものになること間違いないでしょう。
【2】医療費
高齢者は確実に若い人に比べて病気にかかりやすく、病院へ行く頻度も増え、処方される薬の種類、量も多くなります。高齢者の医療費自己負担額は原則1割ですが、残りの費用は税金によって賄われるのです。
厚生労働省の推計では、医療費の保険給付金額は、2025年には54兆円になると試算されており、2019年よりも約12兆円も増えることになります。
昨年10月に消費税が10%になりましたが、1%増で得られる税収は約2兆円と試算されています。この程度の増税では焼け石に水ではないでしょうか。
さらに、病院と医師の不足も問題になります。資金繰りの悪化や働く医師の不足によって、大病院ですら身売りを始めています。大病院で患者の受け入れができないようでは、どこの地域で暮らしていても安心して老後を過ごすことはできなくなります。
【3】介護
介護サービスを利用する高齢者が増え、介護保険の財源もひっ迫していきます。認知症や寝たきりの高齢者が増えると、特別養護老人ホームの需要も高くなり介護費用も膨れ上がります。
さらに、主に都市部では特養の入所待機人数の増加に歯止めがかからない状態で、行き場のない要介護高齢者も増えています。
核家族化による独居高齢者の増加や、若い時期に年金の支払いを怠ったことが原因で、生活保護に頼るケースも増えてくる可能性もあります。