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【10年ぶりの気仙沼】東北から学ぶ地域のエコシステムが興味深すぎた。

東北が、気仙沼が面白い。

最近そう言った声を聞くことがありました。2011年の東日本震災の復旧フェーズが終わり、2020年前後からまさに復興のフェーズで、若手のクリエイターやIT系のプレイヤーが増えたと。

個人的な話を少し書くと、2011年東日本大震災が発生した2週間後にアメリカへの長期留学のため日本を立たなければいけませんでした。

正直何か日本、そして東北のためにできることはないかと後ろ髪を引かれながら留学し、アメリカでは「家族や友達は大丈夫か?」とどこに言っても聞かれる状況。最初の数ヶ月は勉強が手につきませんでした。

なので、約2年後の帰国時にはすぐに東北のボランティアに参加しました。当時NPO助け合いジャパンが主催する東北ボランティアツアーに2度ほど参加させていただいた記憶があります。

陸前高田、南三陸、そして気仙沼でボランティア活動をし、まだ行方不明の方の遺品探しや泥かきのお手伝いをさせて頂きました。当時の体験がまさに今のネガティブな時代に対してのカウンターパンチともなる弊社の理念「瀬戸内から世の中を面白く照らし、かろやかな社会をつくる」に繋がっている体験でした。その中でいつか再び訪れたいと思っていた東北・気仙沼にいます。

2012年夏頃当時の様子。
当時の写真が見つかったので載せておきます。

10年ぶりの東北・気仙沼へ

今回10年ぶりに東北・気仙沼にくることになったきっかけは大阪観光大学のリカレントプログラムで自分と同じく講師を担当した宮城県仙台市拠点の株式会社ライフブリッジ代表櫻井 亮太郎さん。

僕と同じくYouTuber社長でインバウンド業界のお仕事をしている方が、東北ツアーをしてくれるとお伺いして、「ぜひ気仙沼に連れて言ってほしいです!」というのがきっかけでした。

加えて、コトバス代表楠木さん、パソナグループの地方創生代表の近江さんと仙台経由で、気仙沼に向かいました。

気仙沼地域戦略(DMO)にお話聞いた。

今回のツアー、単純に巡るだけじゃなくて、気仙沼地域戦略(DMO)理事&事務局長小松さんにお話をお伺いするお時間もいただきました。2時間まじであっという間でした、、、。学んだことは3つで「人への投資」、「私塾」、「データドリブンとコンセプトの両輪」。

資本主義ではなく志資本主義で集まる超イノベーター集団

「人への投資」と「私塾」について、いわゆる観光的なお話ではなく、「人」という資本を中心に捉えたときに、教育的機能をどう作っていくかの話にいい感じに横道逸れて面白い会話ができました。

例えば、志のある優秀な人材を育てるために、経済同友会が中心となった「東北想像イニシアティブ」という団体が発足。また、その流れから「経営未来塾」というリーダーを育成するための私塾ができました。松下村塾など、日本の歴史では「私塾」が時代に大きな影響を与えてきました。だからこそ、この「経営未来塾」に、歴史上の「私塾」 と同様の役割を期待していて発足したといいます。

東北想像イニシアティブや経営未来塾の情報はこちら↓

https://www.doyukai.or.jp/publish/2016/pdf/2017_03_01.pdf

そして、その塾のすごいところの1つは、実際に教えるスーパー講師陣。経営戦略はマッキンゼー、マーケティングは博報堂、ファイナンスは日本政策金融公庫など各社の、しかもその中でも超トッププレイヤーが教えていること。(どうやら野田さんという方がスーパーブレーンらしい笑)

しかも、別に講師の方々に潤沢な講師費を払っているわけでもなく、なんなら昼ごはんの弁当代も彼らからいただいていたくらいだそう(笑)でもそこには資本主義とは関係ない力学で東北を応援したい、地域にリーダーを育てたい、そういった志資本主義が働いていたんだろなあと思います。

地域に足りてないのは同じように志をもととしたハイレベルな教育だと思ってます。弊社でも今週ちょうどSNSの勉強会を弊社したところ社員にも好評でなんでもっと早くやらなかったんだろうと後悔もしていました。

来年からはオープン社内勉強会を企画中で、ぜひそういった方がいらっしゃれば弊社でも講師をしていただければと思っています。うどん代くらいは出します、、、笑

データドリブンとコンセプトの両輪

DMO小松さんはもともと富士通で働いてて故郷である気仙沼市に出向。そのためデータ周りの強さを持ちつつも、コンセプトの重要性も語っていただきました。

特に「マーケティングの仕組みはツールの話ではない」というのがめちゃくちゃ刺さりました。どうしてもツールを入れれば解決だと思われがちですが、それが実装して運用されること、またコンセプトも重要だと。ちなみに気仙沼のデータベース自体、そのコンセプトが「KESENNUMA CrewShip(気仙沼乗員組証)」でした。

いわゆる地域ポイント。個人情報の登録が必要になるので、実際の観光ルートや来客数といった具体的数値が取れるデータベースではあるんですが、コンセプトづくりがあるからこそ、そのポイントカードを持っていることや乗組員になっていることが誇りになったり、気仙沼への愛着に繋がるようになっています。利便性の訴求ばっかりしてて、正直愛着が生まれていないのが日本全国の地域ポイントの現状ですが全く違うアプローチです。

しかも気仙沼クルーシップを利用してくれている人にアンケートをすると、「ポイントが貯まるから・使えるから」といった利便性で利用している人が理由のトップにはなく、いわゆるシビックプライドがベースになって利用されていることが分かったそう。現状44,000人も登録してくれています。

San Franciscoみたいになった気仙沼を紹介しておく

お話を聞いた後は、気仙沼の内湾商業施設内を巡ったんですが、San FranciscoのFisherman's Wharfみたいにオシャレになっていてびっくり。施設内に地域内外の人たちが対話をする場所「気仙沼まち大学」もめっちゃよかったので写真で紹介しておきます。


カフェもオシャレでIT系の人たちが仕事をしていました
こちらのスペースではテレワークもやりやすそう
チャレンジャーズブックめっちゃいいので香川でもやりたい
施設外観もよき。ここは昔は更地でした。
ポスターも気仙沼への愛着を感じます。

ふわっとまとめ

プレハブの「復興屋台村」も新しく「みしおね横丁」という形で数年前にオープン。地方・東北が生き残れるか衰退する中で起きてしまった東日本大震災。そして、夜は山形県米沢市DMO代表の宮嶌さんを交えての会食。「このバトンは将来のあなたの子どもや孫に託します」という言葉で地域の大人の人たちと一緒に頑張る姿は共感しかありませんでした。あと、当時の災害を伝える伝承館も次のnoteで紹介します。ちゃんちゃん。

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