戦略的に停滞した2年間 【つぶれかけたおじいちゃんの車屋を、孫が復活させた話 Vol.4】
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戦略的に停滞した2年間 【つぶれかけたおじいちゃんの車屋を、孫が復活させた話 Vol.4】

柏原竜星 / 福友スズキ販売 店長

2018年9月22日──。

この日が「車検のコバック因島北インター店」のオープン日。自分の中で決めた目標は達成しましたが……おじいちゃんはなかなか前向きな反応をしてくれませんでした。

加盟する旨を伝えると「ええけど、車検が本当に1000台も増えたらどうするん? いまの状況で人出は足りるんか?」と。

でも、僕は従業員には余力があると思っていました。というのも、それまでの車検はお客さんが車を持って来た日から3日後に整備を完了させていたのですが、1日の受け入れが1台でも10台でもスケジュールが変わっていなかったのです。従業員は車の台数に合わせて整備していて、きっと時間を調整しているはずだと考えていたのです。

とはいえ、おじいちゃんにこのことを伝えると黙ってしまう……。僕は「従業員の能力を勘違いしていると思う。もちろん稼働が増えた分は給料に反映してあげないといけないけど、彼らは車検500台が増えたとしても対応できるはずだ」と伝えました。そして、なんとか納得してもらうことに。

文章にするとあっという間に感じますが、このコミュニケーションをとるには1ヶ月かかりました(笑)。おじいちゃんと孫の関係性だからずっと険悪なムードだったわけではありませんが、何度もケンカを繰り返し、少しずつとお互いの考えていることを共有し、納得してもらいました。

そして、オープン日を迎えることに。

オープン1週間前の9月15日には、因島の全世帯に対してチラシをポスティングしました。「9月22日から27日にかけて、車検予約セレモニーをします」と。車検の予約をしたらボックスティッシュ50箱プレゼント。そこからくじ引きをして、「Nintendo Switch」と「ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのチケット」が当たるチャンスあり。そして、オイル交換も100円で対応。そんなキャンペーンをやりました。

結果はすごかったです。

おじいちゃんのお客さんが200台予約してくれて、新規のお客さんが180台も予約してくれました。

それまでは年間600台の車検だったけど、オープン5日で年間780台が確定。結局、毎月10台ぐらいずつ新規のお客さんが増えて、最終的には年間920台に。

それと同時期に、おじいちゃんの給料を1200万円から300万円まで下げさせてもらいました。赤字経営のままでは借金も増えるだけだったので、そこは納得してもらうことに。

そうして「車検のコバック因島北インター店」がオープンした年は、経営はプラスマイナスゼロくらいになりました。

次の年には、車検数は年間980台。追加整備や車の買い替えもあって、黒字500万円くらいには回復しました。

でも、この2年間は「車検は安い」と感じてほしかったから、必要最低限の追加整備しか提案しませんでした。どんなことを話したとしても、人はその内容をあまり覚えていないし、結果的にかかったお金だけで判断するので。だから、提案できる余地はあったけど、戦略的に高い車検や追加整備はあまり提案していませんでした。

そのおかげもあって因島では「あそこの車検は安い」と言われるように。口コミでもどんどん広がっていきました。お客さんがお客さんを連れてきてくれるようになったのです。

そして、3年目の2021年、僕は従業員たちに「黒字化させるぞ」と伝えました。

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柏原竜星 / 福友スズキ販売 店長
因島出身。福友スズキ販売 店長。赤字1100万円の車屋を3年で黒字7000万円に。車屋の経営に関するノウハウや自身の経験を書いていきます。