2024年5月14日(火)|【悲報】藤浪晋太郎と同日に右肩負傷
「右肩がなんかおかしいなぁ・・・」
アラームが鳴って目を覚ました瞬間から、右肩への違和感を覚えた。寝ぼけ眼のまま、右腕を伸ばしたり縮めたりしてみる。やはり、何かおかしい。なんだか、肩の可動域が狭まってるような感じがする。
「寝起き特有のナニカかなぁ・・・」
ベッドから起き上がり、さっきまで寝ていた場所に腰掛けた状態で、右肩の具合を確かめてみる。適当にブラブラと動かしてみる。
「痛ッ・・・!」
突然、身体に痛みが走った。右肩を上げようとした時だ。肩の位置が通常よりも上に来ると、「ピリッ」という効果音が似合いそうな、鋭い痛みが身体を襲うことに気が付いた。
「いったいなんなんだこれは・・・」
試しに、左肩の具合も確かめてみたが、別に何も問題は無さそうだった。理由は分からない。分かることはただ一つ、昨夜の就寝時刻から今朝の起床時刻に至るまで、何かしらのアクシデントが起きて右肩を負傷した、ただそれだけである。
「原因不明が一番厄介なんだって・・・」
僕が口癖のように言うセリフだ。「理由はよくわからないんだけど〜」が大嫌い。現状が何にも好転しなくても良い、むしろ、悪化してくれても良いから、原因をハッキリさせたい。「あぁだから右肩痛が発症したのか」となりたい。何にも思い浮かばない。寝て起きたら痛くなっていた。そのことしかわからない。何にもわからないのと同じだ。
「トホホだよ、まったくもう・・・」
“トホホ”
日常生活ではまず使用しないであろう単語がポロッと口をついて出るぐらい、僕は気が滅入ってた。トホホ。人前では絶対言わない。断言出来る。というか、トホホって言ってる人を見たこともない。僕だけじゃなくてみんな言わないらしい。なのに、お馴染みの言葉として市民権を得られている、と言いたげな顔をしている(ように僕には思える)。そんなワードだ。いったい誰が使っているんだい?
「いいんだよ、もうそんなことは・・・」
「とにかく右肩が痛いんだ・・・」
「まいったねえ、こりゃあ・・・」
トホホで盛り上がることが出来ないぐらい、正真正銘トホホモードの僕は、右肩の不調によって、起き抜けから超絶ローテンションで、モーニングルーティンの一つである、スポーツナビのトップニュースチェックを行なった。
そこで目に入ったのが、
この記事である。
見出しは、正確に覚えていないが、確か、
【藤浪晋太郎 右肩痛でIL入り】
とかだったと思う。「IL」とは「故障者リスト」のことを指す。何の略なんだろうね。そういや考えたことなかったな。「L」は「List」の「L」なのかな。「I」はなんだろう。「itai」の「I」なのしら。
“Itai List”
んなわけあるかい。
ってことで、調べてみた。
へぇ、なるほどねえ・・・。
「injured」は直訳すると「怪我した」って意味らしい。「怪我人リスト」ってことか。何だ、割とそのまんまなんじゃん。「Itai List」もあながち的外れじゃなかったみたいだな。ダサいかダサくないかの違いだけで。我ながら良い線行ってたんじゃん。
で。(閑話休題の合図)
朝目覚めてから右肩痛に悩まされていた僕は、朝見たニュースで“藤浪晋太郎が右肩痛”という記事が出ていて、
「あっ、これは使えそうだ・・・」
と思った。いいぞ、これは格好のネタになるぞ、と思った。ナイスタイミングで右肩痛を発症してくれた、でかした藤浪晋太郎、と思った。っておい、ちょっと待て、不謹慎が過ぎるだろ。野球ファンを自称してるなら口を慎め。
まぁ、もし言うとしたら、ナイスタイミングで右肩痛を発症した、でかした俺、と言うべきか。どうせ右肩痛を発症するのであれば、ネタに出来そうな時に発症した方が良いに決まっているのだから。
“藤浪晋太郎 ✕ 浜脇流星”
なんかこうやって書くと、長年バッテリーを組んできた名コンビみたいだな。
僕と藤浪晋太郎には共通点がある。それは1994年生まれということ。調べてみると彼は4月12日が誕生日とのこと。おっと、先を越されてしまった。そうか。彼はもう三十路を迎えてしまったのか。ちなみに僕は8月2日が誕生日。あと2ヶ月半は彼の方が年上だな。29歳と30歳。う〜ん、こうやって書いてみると、いよいよ俺も、と思えてくる。30歳…。心にズシンと来る言葉だ。
それはさておき、同年齢で、それなりに思い入れのある選手と、同じタイミングで右肩痛を発症したことに、何かしらのシンパシーを抱いた僕は、その後、日常生活の諸々で、痛みを覚えるたびに、
「藤浪晋太郎も同じ思いをしているはずだ!」
「そんな中で俺が弱音を吐いていられない!」
「二人で励まし合って怪我を乗り越えるぞ!」
そうやって、藤浪晋太郎にエールを送ると同時に、自らをも鼓舞して、どうにかこうにか、一日を乗り越えることができた。
細かいことを挙げ出せばキリがないぐらいに、右肩痛は、僕の身体を蝕んだ。「俺って左利きやのに右手をこんなに使うんや…。」と考えさせられるほどだった。無意識のうちに“右利き社会”に染まり切っていることに気付かされた。そんなことも右肩痛は僕に教えてくれたのだった。
文章を書いている時に「分からせられた」と書いて、うーんこれはちょっと、と思い直して、「気付かされた」とか「教えてくれた」に書き換えているうちに、分からせモノのAVが見たくなってきて、僕の股間がふんわり膨らんできた。
違う。今、アダルティな話は求めていない。
ただ、一つ、心残りなのは、
「俺さ、今日起きてさ、右肩が痛くてさ、『まじかよ〜』と思いながらさ、スポナビチェックしたらさ、『藤浪晋太郎 右肩痛』って見出しの記事があってさ、『まじで〜?』ってなったんだよねぇ。『俺と藤浪晋太郎は一心同体なんだなぁ』って思ったもんよぉ。この偶然、凄くねっ?」
といった類のジョークを、今日だけで、片手では数え切れないぐらい、放り込んでみたのだが、みんなのリアクションは、
「まじで?藤浪故障したん?(野球好き)」
「藤浪踏んだり蹴ったりやなw(野球好き)」
「故障せんのが藤浪の強みやのに(野球好き)」
「知ってた(とりあえずそう言いたいだけ?)」
「はぁ・・・(苦笑)」
「あぁそう・・・(無関心)」
「・・・(冷ややかな視線)」
「・・・(目障り&耳障りそうな雰囲気)」
まぁ、ざっと、こんな感じだった。
今回、右肩痛を通して、分かったことがある。
それは、「よっしゃ、藤浪晋太郎の話と絡ませてネタに出来るで!」と喜んだことそのものが、フタを開けてみれば、一般大衆の笑いのツボからは遠くかけ離れていた、平たく言えば、“僕の笑いの琴線は周りの人とズレている”という、思わず目を覆いたくなるような、悲しき現実である。
笑いを取ることって難しい・・・。(痛切)
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