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#28【夢日記】5ヶ月先につまんない予定を立てる方が悪いのか、なんなのか

こんな夢を見た。

僕と母、あともう一人、女性の知り合い、男友達のお姉さんにあたる人物、その3人で、井戸端会議を開いていた。

”男友達のお姉さんにあたる人物”という表現だと長ったらしくなるので、以下、”お姉さん”と、表記することにしよう。

話をしている感じを見ると、どうやら、3人で仲良く遊んでいたらしい。どういう流れからそんな珍事が起きたのか、甚だ検討がつかないのだが。

ちなみに、現実世界で、お姉さんと遊んだことはない。数回、顔を合わせて、軽い挨拶を交わしたぐらいである。

お姉さんは言った。「今日は楽しかったですね。またこの3人で会って話したいです。予定を立てませんか。善は急げです。いつなら都合が良いですか?」と。

なるほど。「また会いましょう」で終わらずに、具体的に予定を立てる辺り、本当に楽しくて、本当にまた遊びたい意向が窺える。社交辞令が苦手、且つ、嫌いな自分としては、好みのタイプだ。

母は言った。「とはいっても、先のことは分からないわねぇ。今スグ、具体的にいつ、と聞かれると、ちょっと困っちゃうわぁ」と。

まぁ母の気持ちも分からないではない。いきなり聞かれると答えに窮するというもの。だがしかし、決めかねるからまた日を追って、といっていると、予定自体が立ち消えになってしまうのが、人の常である。

なので、母には申し訳ないが、この件に関しては、お姉さんの”善は急げ”のスタンスを、僕は支持したい。

そんなことを思いながら会話を眺めていたら、再び、お姉さんが口を開いた。「でしたら、この日なんてどうでしょうか?」と。

指差したスケジュール帳を見て、僕はたまげた。なぜなら、5ヶ月先の日にちを提案していたから。

いやいや、さすがにそれは、いくらなんでも先のこと過ぎやしないか?と、口から出かかりながらも、僕はグッとこらえた。

いや、これも彼女なりの気遣いなのだろう、善は急げと言いながら、直近だと、他の予定に支障をきたしてしまうだろう。つまりは配慮なのだ。善意を無碍にしてはいけない。僕は自らにそう言い聞かせたわけだ。

母もまた、「まあ、その日は別に空いていると思うけど・・・」と、やや困惑気味でありながらも、了承した。念のため言い添えておくと、”渋々”という感じではなかった。先に書いたように”困惑”の色が強かったように思われる。おそらく、僕と同様に、”5ヶ月先”という点に、引っ掛かりを覚えたのであろう。

すると、お姉さんはこう言ったのだ。「この日(5ヶ月先の日にち)だったらスーパーでレジを打ってると思うので、お店に来てください」と。

「・・・ええっ?」

彼女の言葉がスグには理解出来なかった僕は、上手くリアクションが取れず、硬直状態のような感じになってしまった。

少しの沈黙があったのち、母が返答した。「いや、働いてるトコ邪魔するんか~い」と。うん。そりゃあそうだ。関西人らしいノリツッコミである。さすが関西生まれの母である。

いや、僕も母と同じく、関西生まれ関西育ちであるはずなのだが・・・、なぜだろう、いわゆる”関西のノリ”みたいなものが、あまり受け付けない性分なのだ。

例えば、ニオイがキツい香水であったり、思わず食欲が減退してしまいそうな食べ物のニオイなどがあった場合、”関西のノリ”に即せば、「敢えてにおいを嗅いでリアクションで一発かますぜ!(笑いを取るチャンスだ!)」みたいなことが言える、と思う。あくまでも、僕の経験則の話だけれども。

だけど、僕に言わせれば「クサイと言っているものをなんでわざわざ嗅がないといけないの?」と思うわけだ。そうなると”ノリが悪いヤツ”という烙印を押されて、村八分的な扱いを受けてしまうことが、しばしばある。

それでも僕は、村八分になりたくないからと言って、じゃあ場の空気を読んでクサイにおいを嗅ごう、とは思わない。なぜなら、そんなことで村八分にするようなグループなんて、どうせ一緒に居てもロクなことが無いだろうし、こっちから願い下げだ、と思うからだ。

・・・失礼、話が脱線してしまった。夢の話に戻ろう。

そんなこんなで、5ヶ月経って、お姉さんがバイトしているらしいスーパーに行ってみたのだが、彼女はレジを打っていなかった。

僕と母は疑問に思いながらも「普段はレジ打ちを任されてるけど、他の業務にまわされたのかもね」などと話し合いながら、適当に買い物を済ませて、帰路についた。

そもそも、相手は仕事をしているわけなので、レジに居たとしても、軽い挨拶ぐらいしか出来なかっただろう。かえってこっち(会えなかった)の方が良かったんじゃないか、とも思えた。

そうしたら、後日、お姉さんの方から、謝罪の連絡があった。「すいません。バイトのシフト入れる予定だったんですけど、あの後、飲み会の予定が入っちゃって。ごめんなさい。あの日、お店に居なかったんです」と。

「・・・ええっ?」

再び、彼女の言葉がスグに吞み込めず、しばし沈黙していると、母が返した。「そりゃあそうだ(笑)。バイトと飲み会だったら、飲み会を優先させるわよね(笑)」と。

母の機転の利いた返しのおかげで、お姉さんも、申し訳なさそうな顔がパッと明るくなった。「そうなんです。5ヶ月ってやっぱりわかんないですよねぇ(笑)」と、調子を合わせながら、母と一緒に笑い合っていたのだった。

そんな光景を眺めながら、僕は、沈思黙考モードに入っていた。

「5ヶ月先をブロックしてまで立てた予定ではなかったのか?」
「他の重要な用事が入れば書き換えられる程度の予定だったのならば、別に無理して立てる必要も無かったのではないか?」
「そもそも『善は急げ』とはなんだったのか?」
「いや、もっと言えば、バイト中に来させるのって、常識的に考えてどうなのよ?」

・・・。

色んなことが頭を駆け巡っていたが、僕が、口を開くことはなかった。それはなぜか。母の「そりゃあそうだ(笑)」という一言で、場の空気がパァッと和んだ、この雰囲気を、崩したくはなかったからだ。

・・・いや、ホントにそうだろうか。ホントは、相手を不快な気分にさせたり、嫌悪感を持たれるのが怖くて、臭い物に蓋をする、の精神で、自らの本本心本音を、見ないフリ、気付かないフリをしたんじゃないのか・・・?

言われてみればそうだ。今日の夢を思い返してみると、僕はほとんど、口を開いていない。何か思うことはあれど、その思いの丈を、実際に言葉に発していない。心の底に押しやったまま、グッと口をつぐんでいる。

そういう”自己欺瞞”を続けていると、いつか、立ち行かなくなるぞ。周りのことを気にするあまり、自分を犠牲にしていては、元も子もないぞ。もっと自分に正直になれよ。

そんなことを僕に教えてくれた夢だったのかもしれない。

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