見出し画像

発達障害克服してみた 第4章③ 瞑想で変わったこと

 (この記事は2022/02/05にリライトしました)

 現時点で私はELM瞑想を約2年半(2022年2月時点)やっており、現在も継続しています。やってきて良かったことを列挙しますと、

 ⑴体がびっくりするほど軽くなった
 瞑想を継続することによって、心に蓄積されたストレスやトラウマが無くなり、体が非常に軽くなったのだと思います。心の抑圧は体の筋肉の硬さに現れることが良く知られており、体からアプローチすることで心を楽にするボディーワークといった概念もあるくらいなので、ある意味では当然のことと思います。
 自分の体がこれまでどれだけ緊張し硬かったのかも知ることができました。一時的に体が硬くなったとしても、体が緩むことを覚えているので、しばらくしたらまた体が緩み、そうであることが当たり前の状態です。

(2)過敏性の減少
 自分の場合発達障害と関係があるか分からないのですが、瞑想を始めるまでは、太陽のような強い光を直視するとなぜかくしゃみが出るという症状がありました。これは発達障害者に有りがちな感覚過敏の一つだと考えています。これが瞑想を継続するによって太陽の光を直視しても全くくしゃみが出なくなりました。
 発達障害の人は光に限らず外部刺激に関して過敏症な人が多いです(逆に鈍感な人もいますが)。私はこれも先天的ストレス説によって説明することが出来ると考えています。つまり、ストレスによって常に神経系が高ぶっているために、わずかな刺激でもそれが強く感じられてしまうのではないでしょうか。例えるなら何もしていないときに後ろから声をかけられても何も思いませんが、怪談話などを聞いていて緊張度が高まっているときに後ろから声をかけられるとびっくりするのと同じようなものです。元々、瞑想することでそのリラックス効果で過敏性を抑えることが出来るだろうと思っていましたが、予想通りの結果となりました。

(3) 衝動性・焦燥感の減少
 自分の場合やっかいなことですが、ADHDとアスペルガーの症状を半々くらいに持ち合わせています。これが人間関係に与える影響として、新しい環境ではガンガン人に話かけて表面的に人間関係を作ることが可能(ADHDの特性)ですが、一方で本質的に他者に興味が無いので(アスペルガー)、人間関係をさらに深めたりすることが困難だったりします。本来はゆっくりと人と距離を縮めて、本当にこの人は自分と相性がいいかを見極めて、相性が良さそうであればより距離を縮めるし、ダメそうなら離れるということをするのが正しい方法です。こうすることで、離れるという決断をしても元々の関係をしっかり浅めにしておいたお陰で、傷が少なくて済むわけです。しかし、自分のような衝動性の持ち主はダメそうな相性の相手であっても気づいたときには相当の深入りをしてしまっています。故に沢山嫌な思いをすることが多かったのです。
 年齢を重ねるごとに、沢山傷ついたことに加え、本当は他人にあまり興味が無いということには気づいたので、人と積極的に関わることを止めたので問題は起きにくくなりました。しかし、一人でいると寂しいという気持ちは全く起きない(=アスペルガー的症状)のですが、退屈で退屈でしょうがないという気持ちはどうしようもなく(=ADHD的症状)、数少ない友人を何度も誘ったりすることで、相手から面倒くさがられることも起きてしまいました。まだ本当に相手に関心があって、相手とずっといたいという純粋な気持ちなら相手も悪い気はしないでしょうが、結局の所、自分の退屈しのぎの的にされただけなので、相手からしたらたまったものではないでしょう。
 このどうしようもなかった焦燥感や退屈感などが瞑想の継続により雲散霧消してしまいました。一人でもいいと思えるからこそ、寄りかかりすぎず他者と良好な関係が築けるわけで、ようやく人間関係のスタート地点に立てたのだなと思っています。

 ここまで来ると、この瞑想さえやってれば全てが解決するように思えてしまいますが、残念ながらそう話は甘くなく、改善されなかった症状もいくつかあります。飲み会の席などでガヤガヤした環境の中から聞きたい音だけを聞きだすカクテルパーティー効果などは瞑想だけでは治りませんでした。(カクテルパーティー効果の改善に関しては次回記します。)
 おそらくその要因として、そもそもTM瞑想やELM瞑想自体は発達障害の克服のために発明されたものではなく、たまたま結果として役に立ったというのが、まず一つ目の理由です。2つ目の理由は、瞑想は確かにトラウマだったりストレスといったものを取り除く作用はありますが、ただじっと座って休息を取る作用がメインです。そのため、瞑想にはマイナスの状態をゼロに持っていく作用がありますが、プラスまで持っていく力はほとんどありません。故に、人間関係なり仕事なり何らかの能力向上だったり、お金持ちになりたいなどの願いがあるならば、別の形で努力をする必要があるでしょう。
 努力が必要と聞くと、発達障害の当事者にとってはかなりモヤモヤすると思います。私もそうでしたが、当事者の人々は自分なりにこれまで何とか社会に適応しようと努力してきたのにも関わらず、跳ね返され、打ちひしがれた経験があるからです。しかし、我々当事者の努力がうまく行かなかったのは、ストレスにより脳の神経の可塑性・発達が定型発達者より鈍くなってしまっているのと、まとまらない思考やストレスにより冷静な判断力や客観能力が失われているため、現状の分析と努力が上手くいかないようになっているのです。そのまとまらない思考を整え、神経の発達を妨げるストレスを取り除いててくれるのがこの瞑想の役割でもあるので、瞑想を継続しながら自分なりに努力をしてみることをおすすめします。仕事に困っている方は、私のnoteの第二章を参考にしてみるのもよいでしょう。

 では次回はカクテルパーティー効果が上手く働かないAPD(聴覚処理障害)について書こうと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?