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最愛サミット

昨夜はなかなか寝付けなくて、あっちへゴロゴロこっちへゴロゴロしていた時に変な夢を見た。歴代好きだった人たちが何人か出てきて、私のどういうところが好きだったの?と糾弾される夢だった。

歴代好きな人たちは登場するたびに、格闘ゲームのキャラクター紹介のように立ち絵がカットインされる。格闘ゲームだと、「パワー」「スピード」「テクニック」「タフネス」「メンタリティ」みたいな数値が五角形のグラフになって分かりやすく表示されたりする。歴代好きな人たちは、「顔」「性格」「おっぱいの大きさ」「セックスの相性」「人間性」みたいな酷いパラメータ内訳の五角形グラフがご丁寧に併記されていた(「おっぱいの大きさ」が特に酷いと思う)。なんとまあ凝った演出の夢もあるものだ。

歴代好きな人たちは僕に向かって、「私のどういうところが好きだったの?」と質問をしてくる。僕は正直にそれに答えようとする。女性陣も、「本当にそう?」「ただ顔が好きだったんじゃないの?」「単にヤれそうだから好きってことにしたんじゃないの?」と容赦なく掘り下げてくる。「そうだ……と思う」「顔の造形も好きだけど、それよりも一緒にいて楽しいとか、顔は顔でも表情とかが好きだったんだよ」「いや、それは正直あるかもしれないけど、でもきっかけってそんなもんじゃない?」と、なるべく誠実に正直に答えるように努めた。ひとしきり説明すると、納得してくれたり、若干不服そうにしたりして女性陣は円卓に着席してゆく。そしてまた次の好きな人がやってくるのだった。

ある程度一通りやっつけたところで、円卓の端っこに座っていた女性が立ち上がった。「私もここにいるってことは、私のことが好きってことですか?」それは最近好き……かもしれない人だった。格闘ゲームのように、キングオブコントの決勝進出者の立ち絵のように、ファイティングポーズを決めた絵がカットインして、各パラメータを反映したグラフが表示される。どの項目もかなり高い数値だが、「セックスの相性」に関しては「unknown」になっている。僕は若干しどろもどろになりながらも、「うん、好き……なんだと思う」と伝えた。彼女はしばし黙考して、「了解です」とだけ言って、会議室から出て行った(ここは会議室だったのか!)。ドアがバタンと閉められると、部屋に残された歴代好きな人たちは一斉に立ち上がり、「あれが今の好きな人なの!?」「unknownになってたけどまだヤってないの?」「こんな所じゃなくてちゃんと現実で告白しなきゃ!」と、応援(?)してくれた。さすがは歴代好きな人たち、みんな良い奴じゃないか……そんなことを思っているうちに浅い夢から目が覚めた。時計を見るとまだ0時前。変な夢だったなと思いながら水をひと口飲んで2度寝した。

夢に出てくるってことは好きってことなんだよ、なんてことを言われたりするものだが、それにしてもこんな形で夢に出てくるのは随分なレアケースだろうなと思う次第である。

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