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夢のまた夢

noteを書いている夢を見た。仕事は休みなのだろう。ベッドに寝転がって、昨日のうちに買っておいたピーナッツクリームのパンを食べながら、紅茶を啜りながら、いつものようにネタに困りながら、スマホでぽちぽちとnoteを書いていた。

書いているネタは、夢の中の自分がさっき見た夢の話だった。今朝見た夢の話をそのまま書くのも何度目だろう。まあでもせっかくネタになりそうな夢を見たのだから仕方がない。そんなことを思いながら、なるべく細かい所まで思い出しながら書く。途中で手先を止めてついyoutubeを見たりしてしまうのも休日あるあるだ。休みつつサボりつつ、執筆が佳境に差し掛かったところで目が覚めた。

という夢の話を、今僕は書いている。いつものように仕事に向かう電車の中で眠そうに電車に揺られるおじさんたちを眺めながら、今朝見た夢の話をそのまま書くのも何度目だろうと思いながら、乗り過ごさないように気をつけながら、スマホでぽちぽちとnoteを書いている。

今朝見た夢の中で今朝見た夢の話を書いていた話を書いているのだから、今朝見た夢の中で今朝見た夢の話を書いている自分も自分の見ている夢である可能性がある。今朝見た夢の中で書いていた今朝見た夢の話に書かれていた今朝見た夢は一体どんな夢だったろうか。それはひょっとしたら今朝見た夢の話を書いている夢を今朝見た話だったかもしれないし、そうじゃないかもしれない。そうじゃないのかもしれないのだから、今朝見た夢の中で今朝見た夢の話を書いている夢なんてものは元々存在しなかった可能性もある。今書いている今朝見た夢の中で今朝見た夢の話を書いている話は今朝見た夢ではなく全て創作だということだ。今朝見た夢の中で今朝見た夢の話を書いている話が全て創作である可能性があるということは、今電車に揺られながら今朝見た夢の中で今朝見た夢の話を書いていた自分の話を書いている自分も自分の創作だということになる。だとしたら今この文章を書いているのは一体誰なのだろう。夢と現実と創作が溶けて混ざって曖昧になってゆく感覚を、僕は古い吊り橋に揺られるような不安とともに受け入れざるを得なかった。

夢を書く夢を書くということは現実を揺るがす魔術的な行為になり得るということを学んだ朝でした。皆さまもお気を付けくださいね。

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